クックパッド、止まらない「幹部流出」の危機

競合メディアの出現で成長性に陰りも

が、ある社員は、こう振り返る。「あきれてしまい、笑うしかなかった。現場は日常業務にも支障を来しているのに、経営陣は現実が何も見えていない。あれをきっかけに『もうダメだ』と見限った社員は多かったのではないか」。

経営計画として示されたのは「世界の100カ国でナンバーワンになる」、「毎年200人エンジニアを増やす」(現在の国内社員数は約250人)といった現実性を欠くものだった。売上高などの業績目標や、それに向けてどのように取り組むかといった具体的な内容を伴うものではなかった。

さらに、佐野氏から「米ニューヨーク・タイムズに掲載された食に関する記事を読み、感想文を提出するように」という唐突な「宿題」が課せられたことにも、多くの社員は驚きと違和感を持ったようだ。

現場は混乱、トラブルも

この社員総会を経て、経営陣に失望した社員が転職に踏み出すケースが一段と増えているもようだ。「評価されるキャリアがあって、引く手あまたの幹部から辞めていく。若手社員もクックパッドで活躍しようとした夢が打ち砕かれてしまい、悶々とした気持ちで転職活動を始めている」(クックパッド社員)。

退職が判明したのは、財務とエンジニアを束ねる技術部門、広告営業の幹部社員など。財務、技術部門では部長や中核エンジニアが近く退職する。広告営業で現場を統括するグループリーダーも4人中3人が退職した。ほかにも退職を検討している幹部は複数いるとみられる。

幹部の退職が続出したのは、新体制の経営方針が不明確な状態が続き、混乱が収まる気配がないことが主因だ。岩田氏と佐野氏が主導する新体制は、穐田氏の進めた事業の多角化路線を否定し、主力の会員事業を強化するとみられていたが、7月に会員事業の事業部を突然、解体したという。もう一つの柱の広告事業についても、佐野氏が一時、大幅な縮小方針を示したこともあって、積極的な営業活動が困難になっているようだ。

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