ルネサス、赤尾社長に寄せられた15の質問 「正常化には3年」、臨時株主総会で増資を決議

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――調達する1500億円の使途を教えてほしい。今後もリストラするようだが、資金を退職金に充てて事業の再構築はできる?

赤尾社長 現在進めているリストラは手元資金で行っている。詳細は控えるが、調達資金はマイコンの強化を中心に投じていく。マイコン以外のパワー半導体やアナログ半導体についても、他社でなく自社を使ってもらえるように技術開発やM&Aに資金を投入する。

「従業員そのものと、成長施策に大きな影響はない」

――従業員数は2010年度比で40%減となり、1人当たりの業務負担が倍になっている。必要な人材の流出も招いている。

岩熊正三取締役 一定数の希望退職を実施し、適正な体制へ見直していく必要がある。新たに実施する早期退職(9月末までに3000人超)については、今後の収益基盤を上げて体制を立て直すことを従業員へ示して、一体となって乗り越えたい。

赤尾社長 当社の従業員そのものと、成長に向けた施策は直接大きな影響はない。成長資金のすべてを自前でまかなうために使うのではなく、他社との協業や提携、M&Aも必要に応じて行っていく。人員について、最適な方法を選択したい。

――具体的に、いつになったら正常な会社に戻るのか。

赤尾社長 2015年以降を考えている。過去には市況に左右されやすく、非常に移り変わりの早いエレクトロニクス製品(デジタル家電分野など)の事業をやっていたが、見直しを進めている。今後は商品のライフサイクルが長く、供給期間が長い自動車やFA(ファクトリーオートメーション)分野、社会インフラといったアプリケーションに事業を集中させていく。足の長いアプリケーションに変えるため、具体的に売上高に寄与し始めるには3年くらいの期間が必要となる。

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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