ソニー、一見「堅調」も実は「苦境」 3四半期連続黒字の裏側

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3四半期連続で営業黒字を確保したソニー。が、株式市場の反応は芳しくない。足元の急激な円安にもかかわらず、今期の通期見通しの上方修正はなく、また、資産売却益が営業利益をカサ上げしたことを見透かされているためだ。

ソニーは2月7日、今2013年3月期の第3四半期決算を発表した。12年4~12月の9カ月分を累計した営業損益は829億円の黒字(前年同期は658億円の赤字)と急改善。通期の営業利益も、期初に掲げた1300億円を据え置いた(前期は673億円の赤字)。

この数字だけみれば、ソニーは着実に回復軌道を描いているように見える。

主力製品の販売が苦戦

しかし、実際には中核事業であるエレクトロニクス5分野(カメラ、ゲーム、モバイル、テレビ、デバイス)が軒並み苦戦を強いられている。今回の決算発表と同時に、主力製品の年間販売台数を次のように下方修正したのだ(矢印の左側が昨年11月時点の想定、右側が今回の想定。カッコ内は前12年3月期の実績)。

液晶テレビ:1450万台→1350万台(1960万台)

ビデオカメラ:420万台→400万台(440万台)

コンパクトデジタルカメラ:1600万台→1500万台(2100万台)

携帯型ゲーム機:1000万台→700万台(680万台)

パソコン:850万台→760万台(840万台)

ブルーレイディスクプレーヤー/レコーダー:680万台→660万台(700万台)

販売台数目標を軒並み引き下げた背景には、採算を最優先し、あえて台数を追わないようにしている、という事情もある。

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