オバマ大統領が「広島の折り鶴」に込めた意味 歴史的訪問の裏側に被爆少女との接点を見た
まず紙をどこで仕入れたのかが分かれば、何か掴めるかもしれないと私たちは原爆資料館に行きました。展示ケースに入った4羽の折り鶴の羽根や首のところに見える柄は、いずれも伝統的な和柄。6角形の麻の葉、松竹梅の梅の花、浴衣の柄で有名な藤の花、そして海の波を意味する青海波。当然、鶴には触れられないため、私たちは見える部分だけで展開図を作成、それを基に日米で折り紙探しの旅に出ました。
ホワイトハウス周辺からニューヨーク、さらにはロサンゼルス。アメリカにも数多くあるORIGAMIと書かれた専門店――。しかし、「見つけた!」と思っても微妙に違う。その繰り返しでした。日本でも最大手の折り紙会社でも調べてもらいましたがまったく同じ折り紙は見つかりませんでした。
大統領が使った折り紙は意外なもの
正解は思わぬところからもたらされました。オバマ大統領の折り鶴の腕前についての評価を得ようと、専門家と一緒に原爆資料館に赴いた時のこと。手伝ってもらったのは発行部数1万部の「月刊おりがみ」編集長、青木伸雄さんと日本折紙協会常任理事で上級折紙師範の曽根泰子さんです。オバマ大統領の折り紙は理想的なものだそうで、2人とも絶賛。そんな中、曽根さんが自分で折って持ってきていた模範の折り鶴の柄が、目の前のオバマ大統領の鶴の柄とそっくりだったのです。
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