異変!米原油先物価格が夏に低迷する「謎」 ドライブシーズンなのに価格は逆に下落
市場では、原油相場が200日移動平均線を下回ったことから、長期的な上昇基調が変化する可能性があるとの指摘もある。7月の原油相場の下落は、月間の下げ幅として1年ぶりの大きさとなっており、投機筋も売り目線で原油市場を見ている可能性が高まっている。
事実、NYMEX・WTI原油先物市場(ニューヨークのマーカンタイル取引所で取引される)では、投機筋の買いポジションは大きく減少し、売りポジションが増加し始めている。7月最終週(26日まで)の投機筋のポジションは、12万0556枚の買い越しだったが、前週の15万6804枚からは大幅に減少している。一方で売りポジションは14万1237枚から18万0134枚に急増するなど、新規に売りポジションを持ち始めた向きが増加していることがうかがえる。
いったん反発後、再び本格調整に?
このように、投機筋は明らかに弱気に傾き始めており、これが最近の原油相場を押し下げていたことがわかる。
しかし、短期的には下げすぎ感が強まっていることも事実である。また先週末に発表された4〜6月期の米実質GDP速報値が弱い内容だったことでドル安が進行し、原油相場は辛うじて下げ止まった。
今週は雇用統計など、重要経済指標の発表が多いが、その内容次第では米国の利上げ先送り観測が再燃し、ドル安が進むことで原油相場の下値が支えられることも十分に考えられる。さらに、石油掘削リグ稼働数の持続的な回復には、最低でも50ドル台後半が必要との見方もある。したがって、原油相場の低迷が続けば、リグ稼働数の増加に歯止めがかかり、これが結果的に原油相場を押し上げる可能性はあるだろう。
当面は安値圏でのモミ合いが続く可能性が高いが、筆者は短期的にはいったん戻りを試すのではないかと考えている。しかし、その戻りも自律反発の域を出ず、その後は本格的な調整場面に入ることが想定される。
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