都知事選、最後に笑うのは小池氏か増田氏か 与野党の戦いは、明暗が分かれ悲喜こもごも

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7月29日、渋谷駅前で演説する小池百合子氏が頭ひとつリード。このまま逃げ切れるだろうか(写真:HIROYUKI OZAWA/アフロ)

舛添要一前知事の辞任受けて7月14日に告示された東京都知事選は、小池百合子元環境相と増田寛也元総務相、そしてジャーナリストの鳥越俊太郎氏の事実上の三つ巴の戦いになっている。最終盤は、これまでリードしてきた小池氏に増田氏が自民党の組織力で猛追。野党統一候補の鳥越氏が2人に続く展開だ。

「自民党らしさ」で増田氏を応援

「ようやく横一線まできた。これを言うのは選対委員長の権利なのに、(その前に演説した)山本(一太参院議員)さんに言われてしまった」

7月28日に新宿区内のホテルで開かれた増田氏の個人演説会。壇上に立った茂木敏充自民党選対委員長はおどけたようにこう述べ、会場の笑いをとっていた。茂木氏が上機嫌なのは、増田氏が伸びているという手ごたえがあるからだろう。

自民党は選挙戦中盤にゼネコンなどに選挙協力を依頼し、実際にその効果が見え始めてきている。関係者が打ち明ける。「ゼネコンはずっと自民党からの依頼を待っていた。2020年のオリンピック・パラリンピックがあるため、自民党に頼りたい彼らは応援の準備をしていた」。

当初は党が推薦する増田氏以外の候補を応援した場合、親族を含めて除名などの処分の対象になるとの文書が批判されるなど“迷走”もあった自民党だが、ようやく“らしさ”が出てきたといえる。

都知事選に積極的にコミットする茂木氏と対照的なのは、民進党の玄葉光一郎選対委員長だ。

7月27日に新宿駅南口で行われた鳥越氏の街宣には、民進党の岡田克也代表や参院選で初当選した杉尾秀哉参院議員が参加。共産党や市民団体の応援もあって、盛り上がりを見せていた。その様子を少し離れたところからじっと見ていた長身の男性が玄葉氏だ。

玄葉氏は岡田氏の応援演説の途中で近くの陸橋に上がり、全体を眺めたかと思うと、すぐに立ち去っている。玄葉氏が街宣を見に来ていたのを気付いた民進党のスタッフもいなかった。

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