トヨタとマッキンゼー、強さの根源は同じだ 基本中の基本、PDCAを極められるか
こうしたフレームワークを用いて、ファクトベースの(事実に即した)議論や検討を行う習慣をつけることで、マネジャーの企画(P)立案の精度が高まっていきます。Pをつくったマネジャーが自分の言葉でPDCA全体を語れ、指示できるような状態をつくり、自分の指揮下にある組織内の全体最適をはかる使命を持つことを自覚します。これを階層的に行っている組織になって、初めて組織としてPDCAが回っていくことになります。
PDCAの本当の醍醐味はAにある
先日、トヨタのグループ企業のトップだった方と、日本の他の某自動車メーカーの方が議論を行う場を持ちました。その自動車メーカーの業績は現在低迷しており、模索を続けている状態にあります。この討論をギャラリーとして見ている側から明らかだったのは、トヨタはPDCAをベースに人を育てるという大前提があるのに対して、その会社は、ディレクティブに「下にやらせる」というスタイルをとっていることでした。
PDCAを回している人たちが、業務精度をさらに高めるために、方法論に改善(A)を加えることで、やらされるのではなく、自ら考え「学習」を重ね、自律的に動ける状態をつくる。プラン・ドゥ・シー(Plan-Do-See、企画-実行-検証)がさらに進化したPDCAの真骨頂が、このAに当たります。
PDCAの発表帳票や会議のやり方の改善だけにとどまらず、たとえば製品の企画から市場投入までのリードタイム短縮のためのプロセス改善など、さまざまな改善がここには含まれます。
PDCAのAは一般的にはAction(改善)と説明されますが、むしろAdvance(進化)、ととらえるほうが適切かもしれません。
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