日銀新総裁を待ち受ける難題

超金融緩和策には大きな副作用(日銀ウォッチャー)

なお、FRBのその収益シミュレーションにおけるQE3の継続期間の想定は、ケース1)2012年末で終了、ケース2)13年央で終了、ケース3)13年末で終了、となっていた。14年以降も継続した場合については表示されていなかった。先行きの評価損の計算が凄まじいことになるので、恐ろしくて公開できなかったのではないかと推測している。

次期日銀総裁が「大胆な金融緩和策」を続けていくと、彼は徐々に超金融緩和策は「フリーランチ(ただ飯)」ではなく、副作用を伴うことを意識せざるを得なくなるだろう。また、市場のインフレ期待を急に変化させるような「次元が異なる緩和策」は、国債を暴落させる恐れがあると警戒するようになるだろう。来年の今頃、彼の発言は「白川化」し始めているかもしれない。

今後は日銀の資産膨張が突出して目立つ局面に

その実例は、イギリスにおいて実際に見られる。キング・イングランド銀行総裁は、09年に国債購入を中心とする量的緩和策を開始したときは、その政策がいかにイギリス経済を浮揚させるかを熱心に説いていた。しかし、最近では、量的緩和の効果が限られていることを認めざるを得なくなっており、白川総裁に非常に似た発言をたびたび行っている。

日銀がこれまで決定してきた緩和策を実行するならば、今年年末の日銀資産のGDP比は40%を超える。1990年代半ばまでその比率は長く10%前後だったので、異様な膨張となる。

FRBが仮にQE3を今のペースで継続して年末で終了した場合、年末のFRB資産のGDP比は20%台前半にとどまるだろう。ECB(欧州中央銀行)の資産のGDP比は昨年末時点で日銀よりも小さかった。1月下旬から3年物LTRO(3年物の資金供給)の早期返済を受付け始めたことで、ECBの資産はすでに明確に縮小し始めている。こうして見ると、今後は日銀の資産膨張が突出して目立つことになる。

次ページ新総裁が行う金融緩和策には悩ましい問題がつきまとう
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