「脱・偏差値」で広がる新型ストレスの正体 受験環境にもマインドフルネスが必要だ
おりん(鐘)の音が静かに響く教室の中を、思い思いに歩き回る学生たち。ふと目が合った人と、視線と表情だけであいさつをする。
しばらく教室内を歩き続けた後、今度は、偶然向かい合った人同士で、手を合わせて軽い会釈し、さらにそれを繰り返す――。
スタンフォード大学で「マインドフルネス」を教えるスティーヴン・マーフィ重松教授が、都内にある大学受験予備校で約50名の学生を対象に行ったワークショップの一幕だ。
マーフィ重松教授は、教室に入るやいなや、一言も発することなく、身振り手振りだけで上記のようなワークを始めた。
「自分はいったい何をしているんだろう?」「先生の意図がわからない」「奇妙で不思議だと思った」
どんな目的かいっさい知らされずに始まったワークショップ。普段の授業とはまるで違う環境に戸惑う学生は多かったが、マーフィ重松教授によると、そのような戸惑いや違和感など、さまざまな自分の直感を、リアルに新鮮に感じている瞬間こそがマインドフルな状態への第一歩だという。
マインドフルネスとは何か?
マインドフルネスとは何か? マーフィ重松教授によれば、「自己観察、自己探求、行動という体系的プロセスを通して、自分という存在の豊かさに触れる実用的方法」だ。
ではどうすれば存在の豊かさに気づくことができるのか。ひとつの方法として、マーフィ重松教授は「心が今ここにある状態」を見つけることだと言う。
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