ポケモンGO現象は、周辺ビジネスも熱すぎる

スマホの「専用プラン」は月額1480円

誰かが「ルアーモジュール」を使うとランドマークに人が寄ってきてポケモン捕獲を始める。このことを利用して、ランドマークに近い位置のカフェで、有料の「ルアーモジュール」を使ったところ、店舗の売り上げが大幅に向上した話などが米国の新聞で報道されている。

どのような形でポケモンGOのB2Bビジネスを展開するかについて、開発の中心となってるナイアンティックは系統立てた説明を現時点でしていない。しかし、特定の店舗やランドマークにポケストップを誘致したり、期間限定で特定ポケモンが集まるといった簡単なものから、あるいはその場所に紐付いた新種が登場するなど手の込んだプロモーションも行えるだろう。可能性はいくらでもある。

クーポンが有力ビジネスに育つ可能性

また、地点情報を用いたクーポン発行などのビジネスも、利用者数の多いポケモンGO上で展開した方が効率が良くなるかもしれない。もしサードパーティに対し、ポケモンGO上で連動するクーポン発行システムを開放したなら、利用したいと考える店舗は少なくないはずだ。

ポケモンGOのプログラムコードを解析した学生が、マクドナルドの店舗との連動機能が存在することを突き止めたというニュースは、こうしたビジネス展開の裏付けとなっている。「マクドナルドに行けばピカチュウが見つかるかも?」と知られるようになれば、他店舗から顧客を容易に奪うことができる。

日本での公開が延期になった要因のひとつと考えられる日本マクドナルドから流出したメールによると、全国3000の店舗を「ポケモンジム」として提供し、ポケモン同士のバトルを楽しめるようになるという。その結果として売り上げ増が明らかになれば、他の店舗からも参加申し込みが殺到し、ポケモンGOのB2Bビジネスは爆発的に増えるに違いない。ゲーム内アイテムの課金は極めて軽いポケモンGOだが、大手企業とのコラボレーションが成功すれば、観光誘致や複合商業施設など地域経済と密接な関係のあるビジネスで使われるようになり、アイテム売り上げを遙かに超える収益を生み出すだろう。

すでに”クラシック”の域に達しているポケモンのキャラクターだが、今回のゲームアプリを通じ、新しい世代の子どもたちにキャラクターの魅力が引き継がれていくことも、長期的な任天堂の収益を支えることになるだろう。関連グッズの売り上げは、従来製品の売り上げ増だけでなく、ポケモンをあしらったモバイルバッテリーなど周辺機器ビジネスの活性化も予想される。GPSとカメラを多用するポケモンGOは、スマートフォンのバッテリー消費を大幅に増やすため、モバイルバッテリーは必須だからだ。

当然、様々なスマートフォン関連デバイスメーカーが、任天堂からの正式ライセンスを虎視眈々と狙っているだろう。すでに便乗ビジネスを始めようとしている業者もある。中古iPhoneの端末レンタルを提供しているある企業は、中古のiPhone5s本体と大容量モバイルバッテリーのレンタルサービスに「ポケモンGO専用プラン」を準備している。月額1480円で提供するという。

任天堂がパートナー企業に、子どもが使っても壊れにくいポケモンGOを意識したスマートフォンに対して特別なライセンスを与える可能性もあるが、できれば専用機の拡販に繋げたいところだろう。来年3月に次世代携帯型ゲーム専用機NX向けにポケモンGOをプリインストールし、そこにゲームが有利になるような、なんらかのスパイスを入れれば、NXの普及を後押しするはずだ。

波及効果はデータ通信サービスの商品開発にも影響を与えるかもしれない。ポケモンGOは毎日5時間遊ぶと、ひと月に3ギガバイトの通信を行うという。実際にはここまでの長時間プレイを毎日行うことはないだろうが、通信料の増大につながる。例えばの話だが、ポケモンGOががサーバーと通信するデータのみを特別扱いする定額サービスなども、ニーズ次第では考えられるのではないか。

クラシックな定番キャラクターが、インフラともいえるような爆発的普及をした後にあるのは、無限大ともいえる可能性である。B2Cだけでなく、B2Bに大きな可能性を見せるポケモンGOは、ゲームを運営しながら機能改善、調整、追加していくネットワークゲームの特性とともに、まだまだ成長を続けるだろう。

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