病気で余命わずかの家族とどう接するべきか

介護者の心掛け次第で質の高い余生になる

毎日、訪問看護士さんが来てくださり、一週間に一度は担当医の往診がありました。いつ電話相談してもよく、痰が絡んで苦しそうなときは、約束の日でなくとも先生が飛んできてくださいました。

入院中、姉の髪を熱いタオルでよく拭いてやりましたが、いつも痒いと言っていました。家では看護師さんのやり方を真似、ペットボトルのフタに穴をあけて中にお湯を入れて簡易シャワーを作り、それを10本ほど用意して、ベッドにビニールなどを敷いて洗面器で受けるやりかたで、洗髪を何度もしてあげることができました。

他には柑橘類の匂いがとても癒されるというので、体や顔を拭くときも必ずその汁を含ませたり、その他姉の食事に関しても、例え一口でも姉の好みに合わせて作るなど、私たちも「見舞うだけの人」から、かなり「アイデアを出し合う共に闘う人」になっていきました。

そして姉が大好きな川中みゆきのCDを誰に遠慮もせず大音量で流し、だんだん昏睡時間が長くなり会話ができなくなるまででも、8週間をそのようにして過ごしました。今振り返っても、マラソンランナーとその伴走者のような、とても愛おしい日々でした。

私は何人もの人の最後に立ち会いましたが、息をするのも苦しいこん睡状態の人でも、臨終近くに一瞬、力を振り絞って何かを話したり、少し元気を出す人がいます。「痛い」と言うこともできなくなっていたあの温和な母は、「起こせ!一人ででも帰る!」と病院の廊下に響き渡る声で叫びました。

一方この姉の最後の言葉は、「忙しいあんた(筆者のこと)が、ここまでしてくれるなんて、考えもしなかったわ。おおきに、おおきに。娘たちだけだったら、ずっと病院にいたわ。あんたに感謝してるで~」でした。

質の高い余生は、介護者次第

和子様、判断を間違えば私のように、ずっと自責の念で苦しむことになります。医師が自宅での最期を勧めてくださっているということは、病院に居ても、してもらえることは自宅療養と同じだという段階だと思います。

どこもその様なのか知りませんが、私の姉の時は、訪問看護士さんたちはどなたもベテランで、頼もしい方たちばかりでした。入院中よりかえってたくさんの方たちに親身になってもらっているような距離感があり、とても心強かったです。

自宅で迎える緊急時の対応の仕方もしっかり教えて頂き、何ひとつパニックになったことはありませんでした。

まして和子様は、あなたご自身が、自宅介護を希望しておられるのです。実父が捨てたあなたの娘さんの父親にもなってくれたすばらしい人の余生を、質の良いものにできるかどうかも、あなたに掛かっています。

どうか私の2つの経験を参考になさってください。これは受け取りようによっては、あなたの一生を引きずる問題でもあるのですから。

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