スバル、過去最高益の真因 円安効果だけじゃない

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スバルは12年2月、軽自動車の生産から撤退した。軽自動車ではスバルが得意とする水平対向エンジンやAWDの技術が、生かし切れないからこその決断だったとも解釈できる。軽自動車の販売は減少するものの、採算の良い登録車の販売は増加する見通しである。

13年の販売も過去最高更新の見通し

スバルは1月15日、13年(暦年)の販売台数見通しを発表した。国内は軽撤退の影響で台数減の見通しだが、米国を中心に海外市場ではすべてプラスの見通しとなっている。グローバルでの暦年小売り台数は75万台(前年比6%増)と過去最高となる計画だ。年度での台数計画は現時点では公表していないものの、高橋専務執行役員は「75万台を若干上回るのではないか」との見解を示す。

新型「フォレスター」(撮影:尾形 文繁)

日本では11月に発売を開始したSUV(スポーツ多目的車)の新型「フォレスター」が13年春から米国に投入される予定で、インプレッサに加えて販売増につなげる算段だ。円安傾向が定着すれば、一段と利益を押し上げる可能性もある。

自動車業界に限らず、スバルのような業界の中堅は、自社の得意分野を生かさなければ競争力は出ない。みずからの強みを理解して、徹底的に研ぎすます。新境地に到達しつつあるスバルが、まさにそれを実践している。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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