「アップル神話」崩壊? 株価下落止まらぬワケ

株価はピークから35%下落

来四半期からは減益に

同じ25日午前、カリフォルニア州クパチーノのアップル本社会議室には多くの社員が集まっていた。ティム・クックCEOが昨年1月と同様、年頭の社員集会を召集したのだ。

「われわれはテクノロジー企業として、史上最高の業績を記録した」と力強く、第1四半期決算を報告。続いて、「アンドロイドOSに対する(アップルの)iOSの優位性は、まったく揺らいでいない。その証拠にウェブにアクセスしているデバイスは圧倒的にiOSが多い」「マック、アイフォーンなどの部門はそれぞれ分社化しても、すべてフォーチュン100に入る超優良企業だ」など、自社の圧倒的な強さを強調した。

また、「顧客に愛される、すばらしい商品を作ることに専念してほしい。収益や株価は副産物にすぎない」とも言明。「不安に感じている社員を安心させようとしている様子だった」と関係者は説明する。

今や直近の利益を基に計算したアップルの株価収益率(PER)は10倍程度。安定的な大企業の標準的なPERとされる20倍と比べれば極めて低い。マイクロソフトは、「ウィンドウズ8」の投入があったにもかかわらず、24日に減益決算を発表した。が、株価はそれほど下がらず、PERも15倍程度を維持している。株式市場のアップルに対する評価はそれだけ厳しくなっているのだ。

言うまでもなく、株価は未来を先読みする。低PERということは、今後の大幅減益を織り込んでいるわけだ。第2四半期(13年1~3月)について会社側は売上高を410億~430億ドルと予想しているが、前年同期からの伸び率は4・6~9・7%増にすぎず、10年以上続いた2ケタ成長は止まる。また粗利益率の見通しも37・5~38・5%と低調で、前年同期の47・4%と比べ大幅に落ち込む。そのため、利益も急減することは間違いない(図)。

収益が下り坂であるにもかかわらず、クックCEOはそれを打開する戦略を明示できていない。そのため、4~6月以降も業績悪化が続く可能性がある。株式市場はアップルのピークアウトを織り込み始めている。

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