株式市場の「強いシグナル」、今度こそ本物か 「あだ花」だったのかは連休明けに判明する
注目の攻防ラインだが、今年の1度目の出現が4月21日~4月27日の1万7500円どころ、2度目が5月30日、31日の1万7200円どころ、そして今回が1万6500円どころと、その攻防ラインは低下してきている。強い上値目標が出にくいゆえんだ。移動平均のグランビルの法則では、下げトレンドの一時的反転現象で、絶好の売り場となるのだが…。
需給関係を見るとさらに強いシグナルが出ている。年初20億株あった裁定買い残高は、7月8日にリーマンショック時の最低水準並みの3億8000万株台に低下した。間断なく出る先物売りで、恒常的に先物価格が現物指数より低かったため、自動的に裁定解消売りが進んだためだ。この数字自体が相場を上げることは出来ないが、この数字は需給の変化を表す。
7月8日3億8000万株の裁定買い残は、13日現在4億9800万株と大きく反転した。また、日経平均先週1週間の上げ幅1390円は、ITバブル直前の1997年以来19年ぶりのこと。さらに、任天堂の先週末の4760億円の売買代金は、個別銘柄では過去最高の売買代金だ。ファーストリテイリングのストップ高の動きも、直前の決算数字と野村証券の格上げだけでは理解できない動きだ。これらは下げ相場に咲いた一時的なあだ花なのか、変化のシグナルなのか。3連休明けに答えが出る。
ヘリマネはすでに実施されている?
国債の日銀直接引き受けかつ「永久保有」(ヘリコプターマネー)は、財政法第5条により、黒田総裁はその実現は否定している。しかし、年間80兆円のペースで増える日銀の国債保有額はすでに319兆円となっている。「消費者物価を安定的に2%」と言う出口があるので、この319兆円は「永久保有」ではないが、2%達成までは「限定的永久保有」だ。
日本のマネタリーベース(通過供給量)が403兆円となり、QE3以降漸減しているアメリカのそれを逆転した。株も為替も、需給バケツの縁を越えてあふれ出したのではないか、あるいはその時が近いのではないかと言う気がしてならない。
今週の日経平均予想レンジは1万6000円―1万7000円。先週は1週間上げ続けたが、その前の週はほぼ下げ続けた。順番からいくと今週は下げる番だ。日米とも決算シーズンに突入し、一筋縄ではいかないのは確かだ。しかし、1万5000円は織り込んだが、1万8000円は織り込んでいない。
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