シャープ、“病み上がり"の黒字転換 肝心の液晶は赤字拡大の余地も

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本業はまだ“病み上がり”

今13年3月期の通期については、会社側は売上高2兆4600億円(前期比0.2%増)、営業赤字1550億円(前期は375億円の赤字)、最終赤字4500億円(前期は3760億円の赤字)を見込んでいる。

これに対して東洋経済では、売上高は2兆4000億円、営業赤字1800億円、最終赤字4750億円と、会社計画を若干下回る可能性があると見込んでいる。

直近の12年10~12月期での黒字転換は多少のサプライズがあったものの、本業をとりまく状況が好転したとは言いがたい。液晶、太陽電池をはじめ、主要事業で競争が激化しており、採算は悪化傾向にある。13年1~3月期(第4四半期)は年末商戦の直後でもあり、液晶テレビの販売も減少するだろう。足元の動向次第によっては、東洋経済では独自予想をさらに見直す可能性もある。

なお、シャープはこれまでコマーシャル・ペーパー(CP)を中心とした直接金融で資金を調達してきた。しかし、急激な業績悪化でCPの新規発行が困難になり、主力行であるみずほコーポレート銀行、三菱東京UFJ銀行の支援に頼らざるをえなくなっている。主力2行は昨年9月末、シャープ本社や工場などの固定資産を担保にとると同時に3600億円の追加融資(融資枠を含む)に踏み切った。

この結果、12年12月末時点でのシャープの短期借入金は6725億円と、12年3月末時点の2123億円から3倍以上に膨らんでいる。一方のCPは80億円であり、12年3月末時点の3510億円から激減している。有利子負債の総額は1兆1827億円と依然、高い水準にあり、改善は急務といえる。

(撮影:ヒラオカスタジオ)

前野 裕香 ライター

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まえの ゆか / Yuka Maeno

1984年生まれ。2008年に東洋経済新報社に入社し記者・編集者として活動した。2017年にスタートアップ企業に移り、広報やコンテンツ制作に従事。現在はフリーランスライターとしても活動中。

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