シャープ、“病み上がり"の黒字転換

肝心の液晶は赤字拡大の余地も

第3四半期までの事業別の動向と、通期の見通しは以下のとおり。

液晶の赤字はまだ拡大の可能性も

液晶事業は、第3四半期時点ではスマホ向けの稼働率が高水準で推移したものの、タブレット端末向けなどは低調だった。旗艦の亀山第2工場の稼働率は「下期を通して6割程度」(奥田社長)だが、価格競争は激化しており、通期で部門赤字から脱する見込みは立っていない。会社側は今期の液晶事業を営業赤字1440億円で計画しているが、さらに赤字が膨らむ可能性もある。

テレビは国内で健闘したものの、中国では尖閣問題に伴う不買運動の影響を受けた。コスト面では、昨年の夏に堺工場を鴻海精密工業との共同運営に切り替えたことで、パネルの調達費用がある程度適正化したとみられる。

国内向けを主とする携帯電話は、昨年11月にドコモから発売したスマートフォン「アクオスフォン ゼータ SH-02E」が好調だった。この機種は現時点でシャープだけが量産する「IGZO(イグゾー)液晶」を搭載しており、通常のスマホよりも電池の持ちが長い点が特長だ。ただ、期初にクアルコムからの部品調達が滞った影響が大きく、今期も通期で見ると前期の実績を下回る。

これらテレビと携帯電話を主とするAV機器事業は、第3四半期からわずかに黒字転換している。

太陽電池事業は欧州の需要停滞もあり、国内での売り上げが8割に達している。国内は政策効果もあって産業用が伸びている。しかし、液晶事業と同じく価格競争が厳しいため、今期の通期での黒字転換は難しい。

一方、冷蔵庫・エアコンなどの白モノや、複写機などの情報機器は、それぞれ堅調に推移している。空気清浄機などが伸びており、通期でも業績に貢献するだろう。

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