米国人困惑!すしは本当にヘルシーなのか 健康的な食品かどうかの判断は人それぞれ
健康な食べ物とは何か――。実にシンプルな問いだが、その答えはさほど単純ではない。誰もが健康的な食生活を送りたいと思っているのに、いざ、スーパーマーケットに行くと何を選ぶべきか迷ってしまう。
米食品医薬品局(FDA)は5月、食品表示に「健康的(healthy)」と記載することのできる基準を見直すことを決めた。米国人の栄養に関する知識が変わってきたことを反映する措置と言えるだろう。
では、米国人はどんな食品が健康的で、どんな食品は不健康と思っているのか。ニューヨーク・タイムズ紙は、調査会社モーニング・コンサルトの協力を得て、栄養学者約600人と一般市民2000人を対象に、52品目の食品について健康的と思うか、そう思わないかの意識調査を行った。
その結果わかったのは、何が健康的な食品かについては、かなり意見のばらつきがあることだ。もちろんケールやリンゴ、オートミールなどのように、誰もが健康的と認める食品もある。また、炭酸飲料やフライドポテトは、誰もが健康的ではないと認識している。その一方で、専門家と一般人、あるいは専門家の間でも、意見が大きく分かれる食品があった。
「20年前は栄養について、10%くらいしかわかっていなかった」と、タフツ大学栄養科学・政策大学院のデリアシュ・モザファリアン学長は語る。「今は40〜50%程度だろう」。つまり栄養学の分野では、まだわかっていないことがたくさんあるのだ。
専門家と一般人の評価が最も分かれた食品とは
調査した52品目のうち、専門家と一般人の評価が最も分かれたのがグラノーラバーだ。調査対象者の70%以上が「健康的」と答えたのに対して、栄養士の評価は30%以下だった。
ほかにもグラノーラそのもの、フローズンヨーグルト、「スリムファースト」シェイク(食事代わりのダイエットドリンク)は、一般人の多くが「健康的」だと覆っているが、専門家の評価は低かった。
これらの食品の共通点は、砂糖が大量に含まれていること。FDAは新しい栄養表示で、食品に自然に含まれる糖分と、おいしくするために加えられた砂糖を明確に分けて記載することを義務づける予定だ。