米国人困惑!すしは本当にヘルシーなのか 健康的な食品かどうかの判断は人それぞれ

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専門家と一般的な米国人の間で意見が分かれた食品の一つはグラノーラだった(縦軸が専門家の評価、横軸は一般的な米国人の評価)

その一方で、専門家が「健康的」とお墨付きを与えているのに、一般には「よくわからない」と考えられている食品もある。例えば栄養バランスがよく「スーパーフード」と呼ばれるキヌア。南米アンデス原産の穀類で、あまりにも健康的と騒がれているため、笑いのネタにされることさえある。

豆腐、スシ、フムス(ひよこ豆のペースト)、ワイン、エビも、専門家の評価は高いのに、一般人の評価は低かった。これは一部が、まだ米国の一般家庭では馴染みのない食品というせいもあるだろう。

メディアでの評価がまちまちなことが影響している食品もある。エビは長年、食事性コレステロール値が高いとして「悪者」扱いされてきたが、最近のガイドラインでは食事性コレステロール自体の健康への影響が、はっきりしないとされている。

アルコール類の健康への影響も定まらない。控えめな飲酒は、むしろ体にいいとする研究もあるが、摂取量が増えれば体に悪いのは明らかだ。

米国人が一番評価に迷う食品とは

一部の食品で、一般人と専門家の評価が分かれるのは当然だろう。専門家は最新の研究結果に通じているが、一般人は違う。それに一般消費者は、商品の宣伝文句に影響されやすい。ところが2つのグループの中でも評価が分かれる食品があった。

たとえば、ステーキ、チェダーチーズ、全乳、ポークチョップ。その一部には多くの脂肪が含まれている。そして脂肪(とタンパク質)は、専門家の間で最も評価が大きく分かれる栄養素の一つだ。

少し前まで、脂肪とりわけ乳製品や赤身肉に含まれる飽和脂肪が心臓に悪いことは、「専門家の常識」と考えられていた。ところが最近の研究では、これらの脂肪と心疾患野間にさほど明確な関連性は見当たらないとされている。

このように「新たな発見」が次々あるのだから、専門家も一般人も食品の評価が定まらないのは無理もない。このため消費者は、買い物に行くたびに、「これって健康的なの?」という疑問にぶち当たっている。

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