英次期首相、離脱通告の時期はいつなのか

最初の大仕事は通告時期の決定

英弁護士の一部は、将来的に離脱通告を撤回すればEUにとどまることができると主張。ただ、EU当局者はこうした主張について、2年間の協議期間の延長と同様、EU法50条の手続きを取り消すことはその他加盟国から拒否される可能性があるとしている。多くの加盟国は英国をひいきすることに反対している。

EUは英国に対し、国民投票の結果を尊重し、不透明感をなくすため2019年初めまでに離脱することを約束するよう迫ろうとしているほか、「通告なくして交渉なし」と訴えている。

理論上、英国のEUにおける地位は離脱まで変化はない。実際上では、企業や人々は新たな貿易障壁を恐れ、既に離脱を見据えた行動を取っている。たとえ英国がEUに対する拠出金を払い続け、EU域内の労働者に開放的な姿勢を取り続けたとしても、EU内における英国の影響力は急速に衰えている。

来年には各国で国政選挙

EUの指導者や各機関は2019年初頭までの英離脱を特に望んでいる。その頃に離脱協議が進んでいれば、同年5月の欧州議会選挙、および同年11月までの新たなEU指導部発足に混乱をもたらしかねないためだ。また、2021─27年の新EU予算交渉の開始に面倒を生じさせたくないとの事情もある。

しかし、2017年にはいくつかの国政選挙を控えており、特に4─5月のフランス、9月前後のドイツの各選挙は同年の英離脱協議の進み具合を制限する可能性がある。また、17年初めにはオランダ選挙を控えるほか、憲法改正案をめぐる国民投票でレンツィ首相が敗北すればイタリアでも選挙が実施される可能性がある。主要な対抗勢力にEU懐疑派が含まれているため、事態が複雑化する恐れもある。

EU法50条は離脱協議の期限を2年間と定めており、加盟国の全会一致でのみ延長が可能だ。離脱協定では英国のEU予算に対する割合の低下、英国にいるEU市民および英国以外のEUにいる英国市民の居住や労働の権利といった問題について取り決めるとみられる。この離脱協定は英国を除く27カ国の特別に計算された票の過半によって承認される必要がある。

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