再生38万回!パンケーキ垂れ流し動画の秘密 朝食チェーン「アイホップ」のソーシャル戦略
トンプソン氏によると、アイホップの最近のキャンペーンは、ブランドの全体的なソーシャルメディア戦略と連動しているという。その戦略とは、つねに「適切な場所で、適切なやりとりを、適切な方法で」行う、というものだ。
ソーシャルメディアは従来のチャネル(印刷媒体、ラジオ、テレビなど)の補足に過ぎず、常にそれが出来ているわけではないことは、トンプソン氏も認める。しかし、過去1年半を見ると、アイホップはFacebookのライブ動画や360度写真などの最新ソーシャルツールをいち早く取り入れてきた。他社が様子見をしているのとは対照的だ。
たとえば3月の「ナショナルパンケーキデー」には、ソーシャル作戦司令室を担当エージェンシーMRM//マッキャン(MRM//McCann)のニューヨーク本社内に設置し、ソーシャルメディア上のトレンドを一日中モニターして、それに応じたリアルタイムコンテンツを制作。こうして、Doge風(ネットスラングで「犬」)のパンケーキ画像などが作られた。
今年に入ってSnapchat(スナップチャット)がスポンサードジオフィルターを開始した際も、アイホップはすぐさまこれを利用して、アイホップ店内にいる顧客をターゲットに、Snapchat画面にアイホップのオリジナルのフィルターをかけた。1月には、インスタグラムの投稿にハッシュタグ「#Panuary」「#Entry」をつけて、パンケーキ好きに早食い大会への参加をよびかけた。パンケーキアーティストのネイサン・シールズ氏に依頼して、ファンの写真をもとにTwitter上でリアルタイムで「似顔絵パンケーキ」を披露したこともある。
人々の生活へ浸透するために
オーディエンスとのエンゲージメントやソーシャルメディアにおけるフォロワー数の増加はアイホップにとって喜ばしいことだが、最終目標はパンケーキを売ることであり、その成果も上々だ。調査会社テクノミック(Technomic)によれば、アイホップの総売上は過去1年で8.1%増えたが、ライバルのデニーズ(Denny’s)は4.1%しか増えていないという。この成長を維持するため、今後もソーシャルメディアに目を向けて、人々の日常生活のなかに浸透していきたいと、トンプソン氏は語る。
「言わせてもらえば、我々はライフスタイルブランドだ。創立58年を迎え、人々の日々の朝食や特別なお祝いの場として、何十年もやってきたのだから。ライフスタイルという言葉はいまや濫用されているが、それでも、人々のライフスタイルの活力ある一部分であり続けることは、我々にとって健全かつ重要なことだ」。
Tanya Dua(原文 / 訳:ガリレオ)
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