シェールガス革命で世界は激変する(下) アメリカや日本は復活、世界はデフレに

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シェールガス革命でデフレはいっそう深化する

シェールガス革命の進展は、デフレ社会に拍車をかけることになろう。

簡単に言ってしまえば、エネルギーコストの低下は、ほとんどの製品価格を押し下げることになる。まず工場を動かすための電気料金が下がる。さらには、石油よりも安いシェールガスを原料としたエチレンなどの生産が本格化すれば、製品をかたちづくるプラスチックなどの材料費も低下することは明らかだ。

さらには、シェールガスの生産増によって、燃料費が低下し、航空料金など交通機関の値段が下がることになる。そうなれば、人の動きがますます活発化することで、経済のグローバル化が進展し、労働力が不足することもないだろう。したがって、モノやサービスの価格は下がる一方になる。つまり、シェールガス革命によって、世界的規模のデフレがますます加速していくことになる。

 最後に、日本はいろいろな意味で、シェールガス革命の恩恵に大いに浴する国の一つである。これまで最大の弱点であったエネルギーコストの問題が改善できるし、世界規模でシェールガスへのシフトが進めば進むほど、世界中で日本の技術力が必要とされるからだ。その意味で、シェールガス革命は、アメリカにとっての救世主であるとともに、日本にとっても救世主になると考えられるのだ。 

 

 

長谷川 慶太郎 国際エコノミスト

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はせがわ けいたろう / Keitaro Hasegawa

1927年京都市生まれ。53年大阪大学工学部卒業。新聞記者や証券アナリストを経て、現在多彩な評論活動を展開中。この間、石油危機の到来と終息を予見するなど政治・経済、国際情勢についての先見性をもつ的確な分析を提示。日本経済や産業の動向について、世界的、歴史的な視点も含めて独創的にとらえる国際派エコノミスト。1983年『世界が日本を見倣う日』で第3回石橋湛山賞受賞。1994年『「超」価格破壊の時代』で日本経済のデフレ到来をいちはやく予測、以後、デフレ論の嚆矢となる。近著に『軍事・防衛は大問題』『素材は国家なり(共著)』(以上、東洋経済新報社)、『千載一遇の大チャンス』(講談社インターナショナル)、『中国大分裂』(実業之日本社)、『2013年長谷川慶太郎の大局を読む』(李白社)等がある。

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