シェールガス革命で世界は激変する(下) アメリカや日本は復活、世界はデフレに

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鉄道に代わって、航空機が交通の主役となる 

シェールガス革命によって、エネルギーコストの低下が起こることで、今後は航空産業が飛躍的に発展することになる。LCC(ロー・コスト・キャリア)が世界的に動きだしたこともあって、世界中が「空の時代」へと突入することになるだろう。それは日本も例外ではない。

現在、日本に92ある地方空港は、これからは大いににぎわうことになるに違いない。日本の地方空港は、これまで無駄な投資だとか、数が多すぎるだとか、さんざん叩かれ続けてきたが、一気に地方活性化の基盤となる期待が膨らんでいる。その理由の大部分はLCCが急速に広がりつつあるからだ。

茨城空港など、開港当初は「あんな不便な場所で、空気を運ぶのか」と言われていたのに、現在では、茨城―新千歳、茨城―那覇、茨城―仁川(ソウル)便などの路線があり、多くの人で賑わっている。駐車料金が無料ということもあって、わざわざ車で茨城まで行く人も多いという。

いつの時代でも、人間は遠くへ行きたいという潜在的欲求をもっている。それが安全で時間が短く、かつ安く実現できるとなれば、人間の移動する機会や頻度が増大することになる。19世紀には、蒸気機関による鉄道や船舶の登場によって、「交通革命」が起こったが、そのときにはヨーロッパを中心に一大旅行ブームが沸き起こっている。多くの人たちが世界は近く、そして一つになったと感じ、「グローバル化」の動きが加速していったのだ。それと同じような動きが、そう遠くない将来にやってくるに違いない。

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