日本オラクル、提案力武器に連続最高益 遠藤隆雄社長に聞く

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「セールスフォースもSAPも凌駕せよ」

――IT業界は競争が熾烈。ネットスケープ、ロータスなど一世を風靡した企業も買われて、消えた。オラクルはどう生き残っていくのか。

米オラクルは77年で米国で誕生。85年に設立の日本オラクルは、2000年に東証1部を果たしている

生き残る秘訣は、5年先、10年先を見ているかだ。テクノロジーの動向とユーザーの動向を見ているかどうか。目の前のものではなく、将来コアになるテクノロジーがわかれば、そのデファクト(スタンダード)を獲っていく。日本のIT企業もそうした戦略をやったほうがいい。

――それでは日本オラクルが将来を見て、これから力を入れていくのはどこか。

アプリケーションビジネスにはちょっと力を入れる。今年は、特に力を入れていく。SAP(ドイツにある欧州最大級のソフト会社)は競争相手だとは思っていないけれど。

――オラクルの顧客であるセールスフォースもクラウドではライバルになる。セールスフォース日本法人の社長は、遠藤社長と同じ日本IBM出身の宇陀栄次氏だが。

クラウドの分野でセールスフォースは顧客というよりライバル。と言うと、宇陀社長には「敵扱いしないでよ、うちお客さんなんだからね」と怒られる。宇陀ちゃんは昔からよく知っているんだけど、強力なライバル。負けないように、SaaSの領域でナンバーワンになれるよう頑張る。クラウドでもナンバーワン、オンプレミスでもナンバーワン。だから、セールスフォースもSAPも凌駕するようになれと、社内に号令をかけて、戦略を作っている。

一方、依然として強い、コアのデータベースソフト分野でも、バリューを高めていこうとすると、ラインナップを強化するしかない。ソフトウェアとハードウェアがばらばらで進化はしてきたものの、やっぱりソフトウェアとハードウェアの融合が新しいものを生み出しているのは事実だ。

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