日本オラクル、提案力武器に連続最高益 遠藤隆雄社長に聞く

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

M&Aの効果としては売り上げ増が大きく、シナジー効果でバリューも増す。こういうのは専業で成功したところを買うほうが早い。ストレートにいえば、(自社のサービスも)それに置き換え、強いほうに合わせていく。

エンジニアド・システムは爆発的に伸びている

(サン・マイクロシステムズ買収で本格的に進出した)ハードウェアのところはまだ不十分と思っているが、「エクサデータ」などのエンジニアド・システム(データベース等の専用機・右写真)は爆発的に増えている。足元の成長エンジンは、クラウド(ユーザーが自社の外にデータを置きソフトを運用する仕組み)だが、オンプレミス(ユーザーが自社内に情報システムの設備を持ちソフトを運用する従来型の仕組み)も伸びている。これは相反しない。相互補完になる。

M&Aしたクラウド企業の立ち上げは順調

SaaS(クラウドを活用して、ユーザーが必要なときに必要な機能だけ利用でき、使った分だけ料金を払う初期投資の軽いモデル)とオンプレミスは補完関係がある。ユーザーはSaaSでクイックスタートして、よければオンプレミスで自分たちで情報システムを持つことができる。そういった判断が可能なのが、当社のパッケージのよさだ。

また、11年に買収したクラウド技術のライトナウもうまく立ち上がり、統合後のビジネスは順調だ。それがアプリケーション事業が急増している大きな要因となっている。

――ライトナウはオラクルが標榜する「カスタマーエクスペリエンス(顧客の感動体験を演出し口コミによる拡散も狙うビジネス)」の武器にもなっていると聞く。

ヤフーさんがそうだし、一休さんもそう。ライトナウがオラクルに統合して3カ月後に採用していただいたのがヤフーさん。ライトナウは何十社も有名企業に採用していただいており、名前を出せない企業も多々ある。ただ、出せないといいながら、ほとんどはわかる。「powered by RightNow」とウェブサイトに書いてあるから。

いま企業にとっての大きなテーマは売り上げ増と他社との差別化。企業が売り上げを伸ばす手段は、だいたい3つ。新しい商品、新しい市場、そしてもう一つが競争に勝つ、つまり相手の市場を取ることだ。

次ページ予算握る事業部門に直接営業
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事