パナソニック、「脱家電メーカー」への決意 津賀社長が語る、目指すべき姿
「高精細化が進むディスプレーに比べ、テレビ放送のコンテンツは進化していない。せっかく(最先端の)4K有機ELテレビを投入しても、ディスプレーの性能を生かすことができない」
4K有機ELテレビの普及を後押しする“キラーコンテンツ”をパナソニック自らが作り出すのか。それとも、音楽や映画というコンテンツを持つソニーと同じ路線を歩むのか。
「ハードとコンテンツ、両方を持ちながらシナジーを創出するのは難しい。映画会社MCAの買収をし、短期でギブアップした経験があり、そういった戦略を採るつもりはない。将来的にコンテンツ(制作会社)とパートナーシップを組む、もしくは買収するということはありうる。ただし、それは単なる音楽、単なる映画という既存型ではない、新しいタイプのコンテンツだ」
明るい発信を増やす
パナソニックを含む日本の家電メーカーは、サムスン電子やLG電子ら韓国勢に押されている。
「われわれはいつも韓国メーカーに負けていると書かれるが、技術で大きく負けているとは思わない。ただ、彼らのマーケティング力は見習う必要がある。特に、海外市場。われわれの頭は日本中心だが、大阪の門真(本社)にいてはマーケティング力はつきません。マーケットである海外の声を、もっと素直に聴かなければならない」
昨年10月末の中間決算では通期予想を大幅に下方修正した。会見の場では「われわれは負け組」「普通の会社ではない」と発言し、社員に危機感の共有を訴えてきた。本社組織を150人体制にするなど「タブーなし」の改革にも取り組む。
「改革の浸透はまだ不十分。業績も、スピード感をもって向上できていない。しかし、今年は『反転攻勢』の年。すぐに結果は出なくても、明るい発信をどんどんしていく」
2期連続の大赤字を底に、回復の道筋をどうつけるか。トップとしての真価が問われる年になる。
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