津賀パナソニック始動、脱テレビと本社改革へ

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津賀パナソニック始動、脱テレビと本社改革へ

「このままでは世界における地位はどんどん下がる」「最大の課題は危機感の欠如だ。内向きの仕事ばかりしていては“ゆで蛙”になってしまう」──。

6月28日、午前9時。パナソニック大阪本社の講堂で行われた津賀一宏社長の所信表明。25分間のスピーチには強烈な危機感が満ちていた。「今までとは違うんだ。パナソニックは変わるんだ」。55歳の新社長は、講堂に会した約1000人の社員と、中継システムでつながれた国内外33万人のグループ社員に訴えた。


津賀体制は、会社始まって以来の危機的状況下での船出となった。

2012年3月期の最終赤字は過去最悪の7721億円。6月4日には、株価が495円をつけた。これは過去10年の最安値であり、同期間の最高値2870円(06年4月)の実に約6分の1である。

テレビ偏重から脱却

6月27日に開催された株主総会には、5630人の株主が出席した。中央の議長席に程近い雛壇で、津賀社長は終始、硬い表情を崩さなかった。「株主のお立場に立てば『もう限界』。大声で動議が出ることも想定した」(津賀社長)。動議こそ出なかったが、株主が不満を募らせていることには違いない。そして、この先の信頼回復はイバラの道だ。

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