再び市場が揺れても日本株の下値は限定的だ

欧州の関心は英国から伊大手銀行にシフト

7月5日の日経平均株価は1万5669円と、7営業日ぶりに反落。前日までに1万5775円まで戻りを強めていたものの、チャートからみた戻りメドとなる1万5746~1万5813円(6月24日)の下げ幅1286円に対する61.8%や3分の2で上値が押さえられていた。また、円高定着→国内企業の収益鈍化懸念→市場参加者の様子見姿勢の流れが、東証1部売買代金1.5兆円台という薄商いに表れている。

8日は米雇用統計が控えている。5月の新規雇用者数(非農業部門)が3.8万人増と失速した。6月は17.5万人増と予想されているだけに注目が集まる。10日、参院選の投開票を参院選で与党が勝利すれば、安倍首相による構造改革進展期待から日本株の見直し買いも想定されよう。

日本株はボックス相場入りか

7月中旬以降には16年4~6月期の国内企業の決算発表も相次ぐ。足元の急激な円高・ドル安から収益の下振れ懸念もくすぶる。ただ、国内企業の2017年3月期の想定為替レートは1ドル=105~110円。仮にドル円が100円前後でとどまれば、2017年3月期経常利益が前期比2ケタ減益に至ることはないだろう。28日~29日には日銀金融政策決定会合が開催される。日銀の展望レポートの公表にあたり追加金融緩和や今秋に政府が打ち出す経済対策への期待感が下支えしそうだ。

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平成(1989年)以降の日経平均株価とみると、年間騰落で下落した年の平均下落率はマイナス18.8%。2015年末値1万9033円に当てはめると1万5454円となる。2016年の日経平均株価を振り返ると、同水準を下回ったのは5営業日のみ。前述の下値切り上げ型の中国株とは対照的に、日本株は2月安値と6月安値は1万4952円で横ばっていることから、ボックス相場に入りつつあるとみられる。しかし、日本株は解散価値といわれる実質株価純資産倍率(PBR)1倍水準に近づいている。仮に再び円高進行や信用不安で市場が揺れても、バリュー面からみた日本株の下値は限定的との見方もできる。

さて、私が所属している非営利の団体・日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)では、「テクニカル分析について学びたい」という読者の方々のためにハンドブック(初級編①)を作成しました。前回大好評をいただいた基礎編に続く冊子です。無料で配布しておりますので、興味のある方は、NTAAのHPからぜひお申し込みください。なお、基礎編とあわせて2冊申し込むことも可能です。

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