ソニーのスマホ、どう巻き返す? 就任から10カ月目。平井一夫社長を直撃

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

1月17日に記者の取材に応じた平井社長の発言のうち、スマホ戦略に関する発言を中心に以下にまとめてみた。

フルスピードで走ってきた

――社長就任からの9カ月間をどう振り返るか。

攻めも守りもいろいろな経営判断をやってきた。液晶におけるサムスン電子との合弁解消、小型液晶のスピンアウト、ケミカル事業の売却などが守りの部分。攻めとしてはゲーム会社のガイカイの買収、オリンパスとの協業などがある。守りと攻めをそれぞれ進めてきた。商品軸でいえば、リードタイムの関係でまだまだ新体制後に開発されたものは多くないが、攻めの姿勢で開発した商品が出始めている。

 ソニーがこれだけ短いスパンで、ここまでの案件をディシジョンしたことは過去になかったと思う。全世界を飛びまくり、全速力で走っている。もちろん周りのマネジメントも一緒になって、フルスピードで走ってきた。

9カ月をかけて、会社の軸というか向きを変えることができた。ほぼ正しい向きに持ってこられたと思っている。次のステップは、向けた方向に進みだすということ。もう進み始めた、という認識はある。現場を回っても、進む方向の議論ではなく、「では私は何をすればいいんですか。どう変えていきましょうか」という具体的な議論に変わりつつある。

――エレクトロニクス事業は2012年度の黒字化が困難になった。黒字化には何が必要なのか。

奇策というものはないと、ずっと申し上げている。コストをどのように絞っていくか。そして最終的には、スポーツの例えでいえば攻めてポイントを取らないと点数は入らない。守っているだけではなく攻めに転じることが必要になってくる。

攻めに転じる上で必要なことはお客様に感動を与えるような強い製品を、速く、タイムリーに、さまざまな分野で出していくことが大事だと思っている。

次ページカニバリへの対策は?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事