賃金を上げるには成長戦略が必要 米国のインフレ率2%の理由は生活コスト上昇

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1月22日の日銀金融政策決定会合では、国債の買い取り増額を中心とする追加緩和策が決定されるだろう。

超過準備への付利(現在0.1%)の引き下げは今回はないと予想している。短期金融市場の機能を壊すというデメリットがわずかなメリットを凌駕するおそれがあり(バーナンキもその理由ゆえに0.25%という超過準備への付利を今でも維持している)、かつ、現時点で日銀が予定している資金供給額(合計120兆円超)が実行できなくなるおそれがあるからである。

インフレ目標に関しては、報道されているように、2%を明記するものの、達成期限は明示しないことになるのではないか。達成期限を示さないと思われる大きな理由は、(1)現実に日銀の政策だけでそれが実現できるかというと大きな不確実性がある、(2)国債市場で暴落が生じないようにグレーな部分を残しておく必要がある(例えば、2年以内に必ず2%を達成すると政府・日銀が宣言したら、0.70%台で10年国債を買った銀行は、それを急いで売却したくなるだろう)、という点にある。

金融緩和だけでは賃金が上がらない

10月30日に野田前政権と日銀が発表したデフレ脱却のための「共同声明」は、(1)の考え方がベースにあった。デフレ脱却にとって日銀の金融緩和姿勢は重要ではあるものの、それだけでは「良いインフレ」は実現できない。

日本経済が先行き成長して、人々の賃金が上昇し、それを受けて企業が値上げしやすくなって、それにより企業収益が向上して再び賃金が上昇するという「賃金とインフレの適度な好循環」を起こす必要がある。

アメリカのCPI(消費者物価指数)前年比は、この10年間、平均で見ると2%台前半で推移してきた。日本はマイナス0.2%程度である。具体的にどの品目が上昇すれば全体のインフレ率がアメリカのように2%を超えるのか見てみよう。

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