量的緩和先進国の次の一手に世界が注目

市場動向を読む(為替)

ただし、タイミングは違う。日本の場合、日本銀行は01年に量的緩和政策を始め、06年に一度終了したが、結局、09年ごろから再び当座預金残高を増加させ始め、10年10月には資産買入等の基金を創設し、当初は35兆円だった基金の目標残高を今では101兆円まで拡大させている。

日銀の当座預金残高は昨年末には48兆円に達し、01年に量的緩和政策を始める前の12倍の規模になり、日本銀行のバランスシートは対GDP比で34%(12年12月時点)まで拡大している。

日本よりずっと後に金融危機が起き、米国FRBは08年11月に量的緩和政策を開始し、ECBは11年8月に無制限資金供給オペを再開して、急速にバランスシートを拡大させた。金融危機後の量的緩和政策は日本の方が先輩である。しかし、欧米の後輩たちは、先輩がゆっくりとしか動かなかった結果、効果が出ていないという失敗を反面教師として、短期間で急速な動きを見せた。

07年12月から12年12月までの間で、日本銀行の資産は1.4倍にしか増加していないが、FRBは3.2倍、ECBは2倍にバランスシートを膨らませている(ただし、バランスシートの対GDP比はECBが32%と日本銀行に近いが、FRBは20%と日本銀行よりかなり小さい)。

量的緩和拡大策から財政赤字の拡大策へ進む日本

そして、今、欧米の量的緩和後輩国が日本に注目しているのは、量的緩和先進国の日本が新たな動きを見せ始めたからかもしれない。新たな動きとは、なかなか需給ギャップが縮まらず、デフレからも脱却できない状況にしびれを切らした政治家が、中央銀行に極端なプレッシャーをかけ始め、自らも財政規律の維持を一時放棄する形で歳出を拡大し始めるという行動である。

世界の先進国のコンセンサスは「財政赤字拡大はよくないから、金融政策で何とかしよう」というものだが、欧米に先駆けて次のフェーズに入り始めた日本は、いよいよ財政赤字もさらに拡大することを受け入れ始めたのである。

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