量的緩和先進国の次の一手に世界が注目

市場動向を読む(為替)

しかし、政府の経済対策が本当に効果を発揮するかどうかが判明するには時間がかかる。その前に注目されるのは、1月21~22日に行われる日本銀行の金融政策決定会合でどのような政策が発表されるかであろう。市場は日本銀行が2%のインフレターゲットを導入することはほぼ織り込んでいるとみられる。従って、最も重要な問題は、日本銀行が本当にインフレ率を2%に引き上げるような政策を取るかどうかであろう。

インフレ率を実際に2%に引き上げる難しさ

本当にインフレ率を2%にする気であるなら、資産買入等の基金で多額のETF(指数連動型上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)を購入するという政策を導入する必要があるかもしれない。

現状、総額67兆円の資産買入等の基金のうち、ETF(TOPIX又は日経平均株価に連動するもの)は1.4兆円、J-REITは1000億円程度しか購入していない。今年末までの追加購入予定額もETFが7000億円前後、J-REITは200億円前後しかない。J-REITなどは購入したくても購入するものがないという問題もあるのだろうが、ETF等のリスク性資産を大規模に購入することでもしないかぎり、2%のインフレ率は実現不可能であろう。

ただし、これでも道のりは遠い。実際、日銀が10兆円程度の株価指数連動のETFを購入すれば、日経平均株価は1万3000円程度に上昇するかもしれない。しかし、過去の経緯を見れば、日経平均株価が1万3000円程度に上昇したところで、インフレ率はプラスになるかどうかさえ定かではないだろう。

もっとも、こうした選択をすれば、株価は上昇し円も売られるであろう。その結果、経済が好循環を始める可能性もある。経済が好循環を始めれば、別にインフレ率が2%にならなくてもよいとの認識がひろがる可能性もある。実際、必要なのはインフレではなく、需要の増加である。

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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。