「1964年生まれは、摂生している人が多い」 内村光良が「金メダル男」への思いを語る

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――朝型にしてやりくりしたと。

舞台の時も、映画の脚本を書いていた段階でも朝型になっていました。本当はもうちょっと眠りたかったのですが、頑張って書くしかないなと思いながら執筆していました。よくスタッフさんから言われますが、俺は締め切りを守る男なんだそうです。自分では気付かなかったですけど、どうやら誰よりも締め切りは守るらしいです。普段がルーズですから、締め切りを設定されるとやるんでしょうね。振り返ってみれば、コントの台本なんかも、新人の時に、月イチで出さないといけない時でもやっぱり前日までには作り上げていました。何も用意しないで舞台に立つわけにはいかないので、前日までに必死になって作っていた。そういう癖がついているから、「締め切りを与えると、こいつは働くな」、と思われているかもしれません(笑)。

 自伝的要素はある

映画『金メダルの男』は10月22日公開予定  (C)「金メダル男」製作委員会

――ただ、テレビの収録で夜遅くなることはないんですか。

確かにコントを撮っている時なども、収録によっては夜の10時、11時ぐらいになることはあります。でも、おっさんになったのか、朝になると起きちゃうんですね。独身の時は夜型でしたが、結婚して、子どもができてからは朝型に変わりました。

――例えば、夜に創作意欲が湧くことはなかったんですか。

夜は酒が入っていますから書くのは難しい。酒の勢いで書いてみようと思ったことはありましたけど、だいたいいいものは書けませんね。勢いはつくんですけど、朝、冷静になって読み返してみると、「なんだこりゃ」と。出来は良くなく、直しが必要になりますね。結局朝に書いた方がいいなと思いました。

――主人公がどことなく内村さんをほうふつとさせるのですが。

そうでしょうね。同じ1964年生まれですし。その方が何が流行っていたかとか書きやすかったんですよ。もちろん無人島に漂流した経験はないですし、ショッピングモールに勤めた経験もないですが、特に学生時代、水泳や剣道で、女性の色気にやられてしまうところなどは自分も経験したことですから(笑)。

――実話の要素も交じっていると。

経験から書いたものもあるので、若干の自伝的要素はあるとは思います。しかし、あらゆる一等賞を目指すというのは、わたしとは対極にある人かな。わたしは一応、お笑い1本でやってきたので、対極にある人をやったら面白いかなというのはありましたね。

――オンリーワンでなく、ナンバーワンを目指したいんだと。

例えば、記録を10個くらい持っている人っているじゃないですか。1個よりも、10個持つことに快感を覚える人の気持ちに近いのかもしれない。一等賞を目指している自分に酔っているというか、努力している時が一番、この人は輝いているんだろうなという感じで書き進めていきました。結果じゃなく、過程を楽しむ人なんだと。

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