フジテレビ「視聴率低迷」に株主の不満が炸裂 浮上のきっかけを掴むことはできるのか

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議事進行中、株主から修正動議は計4回ほど提案された。「配当を1株20円ではなく30円にする」「取締役17名を全員名簿から削除する」「取締役候補に元フジテレビアナウンサーの平井理央、ベッキー、ゲスの極み乙女のボーカルである川谷絵音を加え、炎上商法をとるべき」「議長の不信任動議」といったものだが、いずれも否決されている。

一部の株主から過激な発言が繰り返され、長時間に渡った総会だが、それを差し引いて考慮しても不満を持つ株主は多いように感じられた。

フジテレビの改善しか、道はない

フジメディアHD全体で見ると、2015年度の業績は売上高が前期比0.4%減の6405億円、営業利益は同4.8%減の243億円とわずかな減益にとどまっている。ただ、株主は中核のフジテレビが営業益でほぼ半減の55億円に沈んだ事実、そして、視聴率に底入れの兆しが見えないことに苛立ちを募らせているようだ。

お台場のホテルで行われた株主総会。長時間に及んだせいか、途中退席する株主も多くみられた

実際、フジメディアHDの株価は2013年に2度、2300円台の高値をつけたが、それ以降は長期下落トレンドとなり、足元は1100円前後の推移となっている。中核であるフジテレビの視聴率が改善しないため、今後の広告収入も減少する、とみられていることが大きいだろう。

今年こそはと、毎年テコ入れに向けた決意を語ってきたフジテレビ。それでも、まだ結果は出ていない。ドラマのヒット作を生み出し、浮上のきっかけを見いだせなければ、来年の株主総会も荒れ模様が続きそうだ。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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