菅元首相「東電は官邸に責任転嫁している!」 「炉心溶融」を隠ぺいしたのは誰なのか?

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菅氏は「福島事故は終わっていない」「福島事故の徹底検証が必要だ」と強調する(撮影:大澤誠)

――当時のやりとりを振り返って、どこに問題があったと思われますか。

原発の状況がどうなっているかは、東電の現場以外知りようがない。東電が自分たちの発電所で炉心溶融していると判断すれば、私たちにその内容を伝えるとともに、世の中に公表するのが当然だ。私や官房長官がそれを止めなければならない理由はまったくない。

現に枝野氏は当時の記者会見で炉心溶融の可能性があると説明しているし、私も外部の専門家からその可能性があることは一般的な意見としては聞いていた。ただし、その専門家の見解は推測に過ぎない。私は東電や原子力災害対策本部の助言役である原子力安全委員会の斑目春樹委員長(当時)に原発の正確な状況を尋ねていたのだから、東電がきちんと伝えるのが当然だ。

東電は炉心溶融の見通しを報告せず

第三者検証委員会の報告書では、炉心溶融については事故から3日後の2011年3月14日のやりとりに着目しているが、実際にははるか前のできごとのほうが問題だ。私は最近になって知ったが、東電社内では事故直後の3月11日17時15分の時点で、1時間後には原子炉内の水が蒸発し、燃料棒が露出して炉心溶融が起こることが認識されていた。

このことは、福島原発事故の真相究明を続けている新潟県の技術委員会の資料を読み込む中で、政府事故調査委員会の中間報告書97ページに記されていることが最近になってわかった。そこには次のような記述がある。

「17時15分頃、発電所対策本部技術班は、1号機について、炉心の露出が開始する有効燃料頂部(TAF)に原子炉水位が到達する時間の予測を検討し、その結果、このまま原子炉水位が低下すればTAF到達まで1時間と推測した」

つまり、当時、福島第一原発免震重要棟にあった東電の対策本部では、原発事故の初日にあと1時間で水位が有効燃料の頂部まで下がってくることを予測していた。そして政府事故調の中間報告では「(東電)本店対策本部も、テレビ会議システムを通じて同様の情報を得ており、同様の認識であったと考えられる」とも記述されている。

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