フランス人絶賛!日本の美術館の意外な魅力 ポップカルチャーや新幹線より価値高い

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──本で紹介している中で、おすすめの美術館を一つあげるとすれば。

うーん、非常に答えにくいですが…あえてあげるならば、山梨・小淵沢にある「中村キース・ヘリング美術館」でしょうか。アーティスト自体は米国人ですが、オーナーは日本人のヘリングコレクター。かつてニューヨークで働いていたときにヘリングにほれ込んで、作品を集めたそうです。美術館自体、緑に囲まれたとても美しい場所にありますし、建物もユニーク。入ったとたん、ヘリングの世界に一気に引き込まれる作りになっています。

もう一つ面白いのが、施設の隣に露天風呂があること!なので、美術館で素晴らしい展示の数々をみて、アーティストについて学んだ後に、露天風呂に入るという極めて日本的な体験ができます。そのコントラストが私は面白くて好きです。小淵沢はアートビレッジがあったりすてきな場所なので、1日かけて行くのがおすすめですね。

宿泊施設やレストランの情報もまだまだ少ない

もう少し長く旅行に行けるというのならおすすめの場所はたくさんあります。実は今、美術館のほかに宿泊施設についてもリサーチをしています。というのも、美術館同様、外国人向けの情報が限られていて、多くの欧米人からおすすめの宿やレストランを聞かれるから。自分の体験を元に、今はある旅行会社のコンサルティングもしています。

日本には旅館という素晴らしい宿泊施設がありますが、多くの老舗旅館は平日の稼働率を上げるのに苦労していると聞きます。だったら、平日に外国人観光客が訪れるようにできればいいですよね。観光客にとってみても、せっかく日中に美しい場所を訪れたのであれば、ビジネスホテルに泊まるのではなく旅館に泊まって日本を体験してほしいと思います。

──今回の来日では、英国人のツアーガイドもしたそうですね。

この本を出版してから、色々な方から「ぜひ日本の美術館ツアーをしてほしい」とお願いされました。日本を訪れる外国人の多くは日本で特別な体験をしたいと考えています。その中でも、英国のある美術財団がアートへの関心が高い少人数のツアーを組む、というアイデアが面白いと思って、全面的に協力をしました。今回参加したのは12人で、そのうち日本に来たことがあるのは1人だけでした。

10日間にわたるツアーでは、それぞれの美術館でその歴史や展示についてレクチャーをしただけでなく、キュレーターと話す機会も設けました。そのほかにも、明治神宮を訪れて宮司と話をしたり、神道や仏教から仏教美術、浮世絵、現代美術に至るまでの講義をしたり。また、アートと食は密接な結びつきがあると思うので、毎日のディナーもアレンジしました。日本で特別な体験をするという点においては非常に徹底したツアーだったのではないでしょうか。

倉沢 美左 東洋経済 記者

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くらさわ みさ / Misa Kurasawa

米ニューヨーク大学ジャーナリズム学部/経済学部卒。東洋経済新報社ニューヨーク支局を経て、日本経済新聞社米州総局(ニューヨーク)の記者としてハイテク企業を中心に取材。米国に11年滞在後、2006年に東洋経済新報社入社。放送、電力業界などを担当する傍ら、米国のハイテク企業や経営者の取材も趣味的に続けている。2015年4月から東洋経済オンライン編集部に所属、2018年10月から副編集長。 中南米(とりわけブラジル)が好きで、「南米特集」を夢見ているが自分が現役中は難しい気がしている。歌も好き。

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