新型iPhoneの目玉機能はLINEのモノマネ? LINEでうまくいった機能を時間差で取り込み

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LINEは7月に東京証券取引所とニューヨーク証券取引所での同時上場を迎えようとしている。正直なところ、筆者は、非常にタイミングが悪い上場になってしまうのではないかと考えている。ただでさえも、「LINEが今年最大の株式公開」と言われるほど、テクノロジー業界の株式公開はしぼんでいる時期だ。

そして、前述のように、グーグル、フェイスブック、アップルともに、すでにメッセージアプリに力を入れ始めている。今後、LINEを取り巻く経営環境は厳しくなっていく。

日本で生まれた「盗むべき」サービス

結果として、よくも悪くも「アジアで人気のメッセージアプリ」という域を抜けることはないだろうとの見方が多い。

いい面は、1990年代、ケータイの時代から先進的なモバイル活用を進めてきた日本で生まれた「センスのいい、学ぶべき(盗むべき)サービス」という位置付けだ。悪い面は、「自分たち(米国)には関係ないサービス」である、という点である。

つまり、シリコンバレーの企業からすれば、LINEがメッセージアプリで試す先進的な取り組みを観察しておいて、うまくいったものを世界の市場で時間差で取り入れれば、それで十分なのだ。

もちろんLINEは韓国資本の企業であり、その点では純粋な日本企業よりもグローバル市場に一歩近いポジションだ。しかし、それでもシリコンバレー企業にとっては、「関係のないもの」と思われてしまう存在なのである。ニューヨーク同時上場という"離れ技"を使っても、この壁を超えるのは至難といわざるをえない。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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