ニケシュ・アローラ副社長の電撃退任が波紋を呼んでいるソフトバンクグループ。米グーグルの最高事業責任者から、孫正義ソフトバンクグループ社長の後継候補として2014年9月に入社したアローラ氏が大きく話題になったのは超高額な年俸だ。
欧米では高額な役員報酬が社会的な問題として指摘されるが、日本企業の役員報酬も近年は高額化している傾向がある。東洋経済が刊行する『役員四季報』は3500社超、約4万人の上場企業役員についてさまざまなデータを収録しているが、そのうち年1億円以上の役員報酬を得ている上場企業役員503人をランキングにして紹介しよう。
この金額以上の役員報酬を得ている上場企業の役員は、その事実を有価証券報告書への記載で開示する義務がある。今回の集計対象は、2014年5月~2015年4月に本決算を迎え、1億円を超える役員報酬を得た役員を有価証券報告書で開示した上場企業だ。ランキングは役員報酬総額に加えて、退職慰労金(一部は制度打ち切りに伴う計上)などの内訳も可能な限り記載した。
年収1億円超の役員数は1年前から1割増
実は今回のランキングにニケシュ・アローラ氏は入っていない。実際、2014年~2015年3月に165億円の報酬を得たが、子会社であるSB Group USのバイスチェアマンとしての支給された金額であり、本ランキングの集計期間において日本の会社法上ソフトバンクグループの「取締役=役員」には当たらなかったため除外した。
そのため、今回のランキングの1位は、オリックスの経営トップを2014年6月下旬の株主総会をもって退いた宮内義彦氏となった。33年にもわたって経営トップを務めた宮内氏には莫大な功労金が支払われ、役員報酬総額は54億円超にも上った。
かつてに比べると、日本でも外国人社長やプロ経営者がトップに就任する例も増え、高額な報酬をもらうケースも出てきている。東洋経済オンラインは昨年も同じランキング「“年収1億円超”の上場企業役員443人リスト」(2015年3月18日配信)を公表している。年収1億円超の上場企業役員はが1年前は443人だったことを考えると1割増だ。日本でも超高額な報酬を得ている上場企業役員は確実に増えている。
なお、ソフトバンクグループの孫正義社長は293位(1億3100万円)だが、自社株からの配当収入が数十億円規模に上ることから役員報酬自体は相対的に抑え気味だ。また、ニケシュ・アローラ氏は2015年6月19日付でソフトバンクグループの役員に就任しており、来年また同じランキングを公表する際には集計対象となり、上位にランクインされるはずだ。
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