狙うならトヨタより野村HDやみずほFG 日経平均の次のメドは1万1408円

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依然として絶対水準が低い証券、メガバンク

――今後注目される業種は?

日頃から言い続けていることだが、証券やメガバンクなどの内需銘柄だ。足元の株式市場は為替相場への感応度が高く、円安が進むと輸出関連株を中心に日経平均も上昇している。

しかし、為替要因だけで業績は決まらない。製品の競争力も重要な要素で、これから輸出企業は、実際にどれだけ製品が売れているか見極められる段階に入る。競争力のある企業の株価は続伸していくだろうが、そうではない企業の株価は上昇が止まりそうだ。一方の証券やメガバンクは、依然として株価の絶対水準が低い。

たとえば野村ホールディングスの場合、12年夏から株価は約2倍になり、1月4日には528円の昨年来高値をつけた。それでも09年6月につけたリーマンショック後の戻り高値934円には遠く及ばない。

みずほフィナンシャルグループも、1月4日には163円の昨年来高値をつけたが、09年6月高値274円に比べるとまだ安い。

先述のトヨタ自動車と違って出遅れが鮮明といえる。日経平均(N)をTOPIX(T)で割ったNT倍率は、リーマンショック後の9倍台半ばからほぼ一貫して上昇し続け、現在は12倍前後となっている。しかし、これからは内需中心のTOPIXが日経平均のパフォーマンスを上回り、NT倍率は低下していくと見ている。

――調整のリスクは?

日経平均で700~800円程度の幅の下落はありえるだろう。ただ、この程度の下落であれば上昇基調が崩れたとはいえず、心配する必要はない。再び出直り、高値を更新していくだろう。 

藤尾 明彦 東洋経済 記者

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ふじお あきひこ / Akihiko Fujio

『週刊東洋経済』、『会社四季報オンライン』、『会社四季報』等の編集を経て、現在『東洋経済オンライン』編集部。健康オタクでランニングが趣味。心身統一合気道初段。

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