韓国ロッテの不正疑惑は、財閥の「慢性病」だ 創業者の長男vs次男の後継争いで問題が噴出
韓国を代表する財閥企業・韓国ロッテがスキャンダルで揺れている。
2015年、創業者の長男と次男の間で後継者問題が勃発。闘争の末に、次男である重光昭夫(韓国名・シン・ドンビン、61)会長がなんとか経営権の掌握に成功した。本格的な経営体制が稼働した矢先、今度はグループ内の不正資金疑惑が発生してしまった。
韓国検察は6月10日、「グループ企業間の取引を利用して数十億ウォン(数億円)規模の裏金をつくった」として、韓国ロッテグループの本社や幹部の自宅などを家宅捜索した。
200人の捜査官を投入した今回の家宅捜索は、ロッテグループにとってかなりの痛手だ。
スキャンダル続きのロッテ
まず、グループ内中核企業の一つであるロッテケミカルが行っていた米国同業企業への買収提案を撤回。さらに、6月末に予定されていたホテルロッテの上場も無期限延期とした。
また、今春から韓国で大きな話題となっていた、加湿器用殺菌剤により死者が出た事件でも、殺菌剤の製造販売元の一つが韓国ロッテマートだった。同社の元代表は、業務上過失致死傷容疑で逮捕されている。
ロッテにとっては、まさに泣きっ面に蜂。しかも、何回も蜂に刺されているような状態だ。
しかし、家宅捜索から約2週間が経ったが、「捜査当局は不正資金に関する決定的な証拠を確保できなかったようだ」(韓国経済誌記者)。ロッテは過去にも同様の疑惑を持たれ、捜査当局の手が入っている。今回も、創業者・重光武雄氏(韓国名・シン・ギョクホ、94)の執務室や、武雄氏の兄弟や側近のオフィスにも家宅捜索が行われたが、決定的な証拠をつかめなかったとみられる。
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