4月1万0800円、年末1万1000円へ 専門家に聞く2013年の日経平均予測
なお13年の金融市場には以下の3つのリスクがあることを踏まえておきたい。こうしたリスクは春から夏に顕在化する可能性が高い。
「悪い円安」「悪い金利上昇」に注意
まず、最大のリスクは「悪い円安」、「悪い金利上昇」だ。いまは円安、株高、実体経済の好転というシナリオで動いているが、マーケットはオーバーシュートするものである。貿易赤字に陥っているいま、円安が進むと、円安によるエネルギーコストの上昇が大きくなる恐れがある。そうなると「悪い円安」=「日本売り」に発展する。
また、自民党新政権は、民主党政権時代の「新規国債発行44兆円」の枠を取り払い、10兆円規模の補正予算を組む見通しだ。日銀の国債買い入れ拡大と並行して、国債増発が行われることになり、政府一般債務の対GDP比率は、2012年の236.5%からさらに上昇する可能性がある。
これが財政規律を無視した政策運営だと認識されると、金利がハネ上がる「悪い金利」上昇のリスクが高まる。そうなれば円安、債券安、株安のトリプル安の状態になるだろう。
2つ目には日中関係の悪化が長期化することも懸念材料だ。一部製品で中国での売れ行きが回復したとの報道もあるが、また偶発的な衝突が起きないとは限らない。
3つ目に考えておくべきは、いまECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁の「ドラギマジック」で落ち着いている欧州の債務危機が、政治的リスクによって再燃することだ。13年は2月にイタリア、9月にドイツで選挙が行われる。
ドイツではCDU(ドイツキリスト教民主同盟)が地方選で劣勢に立たされており、メルケル政権が崩壊する可能性もある。フランスでは12年に誕生したオランド新政権の支持率が暴落している。イタリアも政権が安定しそうもない。ギリシャやスペインの財政問題が解決しないまま、ドイツ、フランス、イタリアの政治への求心力が弱まれば、再び、現在のリスクオンの流れがリスクオフへと逆転しよう。
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