東急田園都市線の主力ともいうべき5000系には、混雑対策として6扉車が10両編成中3両つながっている編成がある。しかし、駅のホームドア設置を進めるにあたり、6扉車を4扉車に戻すことになった。
その新造4扉車には、いくつもの新たな工夫が凝らされている。まず、シートの背もたれが高いハイバック・シートにより座り心地がよくなった。また、ロングシートでは珍しいヘッドレストを導入した。もっとも、頭の部分が窓ガラスとなるシートの中間部ではなく、ドア寄りの2席のみ(車端部の3人掛け席は1席のみ)である。清潔感にも配慮し、レザー調の樹脂素材を使っている。田園都市線は東京メトロ半蔵門線、東武線とも直通運転しているので、すでに座ってみた人も多いかもしれない。
東武東上線では、TJライナー用にロングシートにもクロスシートにもなるマルチシートが装備された50090型がユニークだ。TJライナーは乗車券のほかに追加料金が必要な列車で、一般の通勤電車とは異なる。
しかし、夕方の池袋へ向かう快速急行は、折返しでTJライナーとなるため、クロスシートとなっているにもかかわらず追加料金不要の「乗り得」列車である。東上線沿線から池袋へ向かう時、わざわざ快速急行に乗ってみると、プチ旅行気分が味わえるだろう。ただし、時間帯によっては、川越以遠からの乗車でないと、窓側席に座るのは難しいかもしれない。
「乗り得」は新車だけじゃない
それほど新しい車両ではないけれど、9100形C-Flyerは、優等列車のような風貌で異彩を放っている。京成電鉄、都営浅草線、京浜急行に乗り入れ、もっぱら印旛日本医大と羽田空港を結ぶ快特や急行に使われている。3編成しかないので、中々出会うのは難しいが、中間車の車端部に設けられたクロスシートがユニークだ。
1両につき最大8席しかなく、固定式で前寄りの車両に乗ると進行方向を向き、5両目以降の後ろ寄り車両に乗ると進行方向とは反対向きとなる。編成によっては、片側だけがクロスシートのものもあり、途中駅からの乗車では進行方向窓側に座るチャンスは少ないだけに、座れたらラッキーである。
最近話題に乏しい京王線で目立つのが、緑に塗られた8000系の「高尾山ラッピング電車」である。車内は一般車両と変わらないが、車体に四季折々の高尾山の様子を描いていて見ているだけでも楽しめる。
高尾山口行きの特急や準特急のみならず、京王八王子行き、橋本行きの優等列車にも用いられるほか、各駅停車の運用もあるので、意外な駅で意外な時間に遭遇することもあろう。
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