「人にやさしく、みんなの笑顔をつくりだす車両」というコンセプトで造られた通称「スマイルトレイン」30000系は、それまでの西武の車両のイメージを大きく変えた電車だ。女性社員が関わって感性を反映させたということで、デザインやインテリアの随所に心地よさがある。卵型の形状、ふくらみをモチーフに、吊革、座席の袖仕切りなど視覚的にも楽しめる。
車両の増備が続き、池袋線、新宿線、拝島線で万遍なく活躍しているので、乗車チャンスは増えている。
大宮駅から鉄道博物館へ行くときに利用する人も多い新交通システムのニューシャトル。2015年末に新型車両がデビューした。六角形の先頭部をはじめ、デザイン的に洗練されている。
ロングシートとは言え、座り心地は良好だ。ドアの窓配置も面白く、乗ってみたい車両だ。第2編成も登場したので、この形式に当たる確率は高まった。
元JRの通勤電車が大変身
以上、首都圏の電車ばかり紹介したので、それ以外の地域の車両も、筆者が最近乗ったものの中から2つだけ選んでみた。
何の変哲もない通勤電車をJR九州の観光列車を手掛けた水戸岡鋭治氏がデザインした。かくも見事に変身させるとは、さすが水戸岡マジックだ。座席のモケットは何種類ものデザインが施され、どこに座ろうか目移りする。
隣の車両への通路には暖簾が吊るされ、その両隣りの壁には洒落たデザインのポスターが張られている。木の吊革や優先席の赤い吊革などもユニークだ。「日本一ゆたかな通勤電車」というキャッチコピーもあながち誇張ではない。
フジサン特急の専用車両の代走として使われることもあり、205系が「特急」の表示で走るとは、この車両の仲間の中では異例の「出世」とも言える。
名古屋鉄道の各駅停車には様々な形式の車両が使われる。本線でも4両編成、ときには2両編成で走ることもある。その中で、特急電車の増結用に使われる2両編成が、単独で各駅停車の運用に入ることがあり、ゆったりしたクロスシートは「乗り得」ともいえる。
先日の取材でたまたま乗り合わせたのは名古屋本線の須ヶ口(すかぐち)発名鉄岐阜行き。同じ時間帯を走る急行や特急と異なりガラガラでゆったり車窓を眺めながら過ごすことができた。
このほかにも、スタイリッシュな通勤車両が各地で登場している。また、西武鉄道や京王電鉄では新車が計画されている。どのような車両になるのか楽しみだ。
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