乗れたらラッキー!「レアな通勤電車」10選 高級シートや凝ったデザインで通勤を楽しく

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7)「スマイルトレイン」西武30000系

「人にやさしく、みんなの笑顔をつくりだす車両」というコンセプトで造られた通称「スマイルトレイン」30000系は、それまでの西武の車両のイメージを大きく変えた電車だ。女性社員が関わって感性を反映させたということで、デザインやインテリアの随所に心地よさがある。卵型の形状、ふくらみをモチーフに、吊革、座席の袖仕切りなど視覚的にも楽しめる。

車両の増備が続き、池袋線、新宿線、拝島線で万遍なく活躍しているので、乗車チャンスは増えている。

8)六角形のインパクト、埼玉新都市交通(ニューシャトル)2020系
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埼玉新都市交通「ニューシャトル」の2020系は六角形をモチーフとしたデザインがユニークだ(写真:tarousite / PIXTA)

大宮駅から鉄道博物館へ行くときに利用する人も多い新交通システムのニューシャトル。2015年末に新型車両がデビューした。六角形の先頭部をはじめ、デザイン的に洗練されている。

ロングシートとは言え、座り心地は良好だ。ドアの窓配置も面白く、乗ってみたい車両だ。第2編成も登場したので、この形式に当たる確率は高まった。

元JRの通勤電車が大変身

以上、首都圏の電車ばかり紹介したので、それ以外の地域の車両も、筆者が最近乗ったものの中から2つだけ選んでみた。

9)水戸岡デザインのマジック!富士急6000系(元JR東日本205系)
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水戸岡鋭治氏のデザインで生まれかわった元JRの通勤電車、富士急行6000系(左)。右には同じく水戸岡氏デザインの「富士山ビュー特急」が並ぶ(筆者撮影)

何の変哲もない通勤電車をJR九州の観光列車を手掛けた水戸岡鋭治氏がデザインした。かくも見事に変身させるとは、さすが水戸岡マジックだ。座席のモケットは何種類ものデザインが施され、どこに座ろうか目移りする。

隣の車両への通路には暖簾が吊るされ、その両隣りの壁には洒落たデザインのポスターが張られている。木の吊革や優先席の赤い吊革などもユニークだ。「日本一ゆたかな通勤電車」というキャッチコピーもあながち誇張ではない。

フジサン特急の専用車両の代走として使われることもあり、205系が「特急」の表示で走るとは、この車両の仲間の中では異例の「出世」とも言える。

10)各停でも走る名鉄特急1800系・1850系

名古屋鉄道の各駅停車には様々な形式の車両が使われる。本線でも4両編成、ときには2両編成で走ることもある。その中で、特急電車の増結用に使われる2両編成が、単独で各駅停車の運用に入ることがあり、ゆったりしたクロスシートは「乗り得」ともいえる。

先日の取材でたまたま乗り合わせたのは名古屋本線の須ヶ口(すかぐち)発名鉄岐阜行き。同じ時間帯を走る急行や特急と異なりガラガラでゆったり車窓を眺めながら過ごすことができた。

このほかにも、スタイリッシュな通勤車両が各地で登場している。また、西武鉄道や京王電鉄では新車が計画されている。どのような車両になるのか楽しみだ。

野田 隆 日本旅行作家協会理事

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のだ たかし / Takashi Noda

1952年名古屋市生まれ。早稲田大学大学院修了(国際法)。都立高校に勤務のかたわら、ヨーロッパや日本の鉄道旅行を中心とした著作を発表、2010年に退職後は、フリーとして活動。日本旅行作家協会理事。おもな著書に『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている』『シニア鉄道旅のすすめ』(以上、平凡社新書)、『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)、『ニッポンの「ざんねん」な鉄道』(光文社知恵の森文庫)、『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)などがある。

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