大手化学メーカー、自動車用途の強化に走る 車体の軽量化ニーズに大きな商機

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自動車業界は自国の素材・材料メーカーと関係が密な産業で、日系自動車メーカーとの取り引きに限って言えば、海外生産分も含めて化学分野は国内勢が圧倒的なシェアを握っている。ただ、トヨタを始めとする日本の自動車産業は世界で大きな存在感を誇るため、海外の化学会社も熱い視線を送る。

世界最大の総合化学会社、独BASFは昨年、軽さと強度を特徴とする熱可塑性複合材の技術開発センターを横浜市に開設した。ターゲットは自動車の部材・部品用途で、成形品の試作や性能検証のための設備も備える。この技術拠点を戦略的に活用し、軽量化対策に取り組む日本の自動車・部品メーカーとの取り引き拡大を目指している。

車体軽量化の流れを絶好のチャンスと捉え、自動車分野の事業拡大を狙う総合化学メーカーの面々。自動車業界向けの素材・材料を舞台として、各社の陣取り競争が熱くなりそうだ。

渡辺 清治 東洋経済 記者
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