「パナマ文書」が暴いた巧妙な税逃れの手口

ある米国人は143億円を国外へ飛ばした

ポンソルト家とオルシェフスキーに関する書類を調べた専門家らは、両者との取引に関して、モサック・フォンセカはリスクがあることを認識していたようだと話す。

2013年にモサック・フォンセカは、国税局に申し出るようオルシェフスキーにアドバイスした。さもないと、「深刻な」影響が及ぶかもしれないと警告したのだ。この警告が行われたのは、米国市民が連邦税から逃れようとする際にスイスの銀行が果たしている役割について、法務省が調べ始めた頃だ。

はたして税金は支払われたのか

オルシェフスキーはアドバイスに従って、国税局に口座の件を申告した。そして2014年までに、彼女の口座とオフショア企業を閉鎖するよう、モサック・フォンセカに依頼した。そこには合計で170万ドルが置かれていた。

モサック・フォンセカはポンソルト家に対しても、次第に切迫した調子で、同様の警告を2013年と2014年にいくつも送った。必要な米国の税金はすべて支払ったことを示す書類をスイスの銀行に送らなければならない――さもなければ捜査が行われる可能性があると告げたのだ。

ニューヨーク・タイムズが調べた記録には、ポンソルト家が応じたかどうかを示すものはなかった。家族に質問しても、返事は来ないだろう。

(執筆:Eric Lipton記者・Julie Creswell記者、翻訳:東方雅美)
© 2016 New York Times News Service
 

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