有馬:では改めて問いますが、維新は他の既成政党とどこが違うのでしょうか。新しい政党ですから、新しい発想ができるというのはわかりますが、具体的に何が強みなのでしょうか。
なぜ自民や民進では、改革ができないのか
馬場:維新という政党は、企業的に言えば新しい「ベンチャー政党」であり、しがらみがありません。また、ここが大事なのですが「納税者側に立った責任改革野党」であり、「言うだけではなく、約束したことは実行する」という政党です。自民党や民進党は、結局は「税金を消費する側」に立っているわけです。
例えば大阪府では、維新が与党になってから、公約として掲げていた「私立高校の授業料無償化」が実現しました。年間約200億円にもなる財源が必要で「絶対無理」といわれていた政策ですが、もう4年も続いているんです。自民党や民進党ではこうしたことは実現できないでしょう。
国のレベルでも同じことが言えます。今回、維新は参議院選挙の公約として憲法改正を掲げ、その3本柱として「(幼児から大学院、職業訓練学校なども含む)教育の無償化」、(道州制や自治体の権限強化を進める)「統治機構改革」、「憲法裁判所の設置」をあげました。
例えば、教育の無償化を実現するには、試算では3.7兆円が必要です。
普通なら、「財源はどうするんだ?とても無理だ」という話になりますが、本当にそうでしょうか。それにはまず国会議員や地方議員の数や報酬を減らし公務員さんにも協力して頂くことから始めなければいけません。
一般的に公務員の報酬は全国で年間約26兆円にもなるといわれています。国民に負担をお願いする前に、自ら「身を切る改革」を行うことが重要です。仮に公務員の給与を20%削れば5.2兆円になります。3.7兆円は出せないことはないんです。
国の借金についても同じです。自民党も民進党も結局は今のままでは抜本的な改革はできません。安倍政権にしても、せっかくアベノミクスで税収が増えたにもかかわらず、少し余裕が出てくると「高齢者に3万円給付」のように、すぐ別なことに使ってしまいます。
高度成長時代なら、こうしたバラマキ政策は許されました。しかし、大阪でわれわれが行っているように、今は行財政改革をするしか道はありません。「2020年度にプライマリーバランス(国債費関連を除いた基礎的財政収支)を黒字に」といっておきながら、毎年のように予算額が増えていくのは、おかしいですよね。
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