「超会議の意義は?」夏野剛さんに聞いてみた ニコニコを任天堂や経産省などが支援
まず、ニコニコ超会議とは、「ニコニコ動画のすべて(だいたい)を地上で再現する」をコンセプトとしたイベントで、今年4月28~29日に第1回が開かれた。「いわゆる“オタク”とか“アキバ系”が集まるようなイベントでしょ?」と思う人も多いかもしれないが、そうでもない。幕張メッセには9万2384人が訪れ、ネット来場者数(閲覧した述べユーザー数)は347万0766人にも上った。
ネット党首討論でも話題に
これだけでも大きな社会現象だが、ニコニコは直近でも世の中に大きな影響を与えている。12月4日に公示され、16日に投開票される第46回衆院選を控え、ニコニコは11月29日夜に主要政党の党首討論を中継。述べ140万人のアクセスを集めた。
そして今回の「ニコニコ超会議2」には、特別協賛となる任天堂のほかに、ローソンや「カラオケの鉄人」など3社が協賛。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)や日本マイクロソフト、ヤフー、吉本興業などの有名企業が出展するうえ、経済産業省が後援する。もはや、社会的なイベントにまでなってきている。
ところが興味深いのは、「ニコニコ超会議2」が利益を狙っていないということだ。第1回の「ニコニコ超会議」は約4億7000万円の赤字を計上。今回も「頑張る気はあるが収支トントンならいい」(川上量生ドワンゴ会長)。NTTドコモ「iモード」の生みの親でテレビのコメンテーターなどで有名な夏野剛取締役も「赤字額は減るだろうがこれでも黒字の予定はないんです」と話した。
では、ニコニコ超会議に社会的、経済的な意義があるのではないか?そんな疑問が浮かび上がったので、会場で質問をぶつけてみた。「ネットとリアルを融合していくということに意義がある」「ファンを増やしていくことが本業に弾みをつける」。そんな答えを期待したが、夏野氏はこれまた予想できなかった答えを返してきた。
「ユーザーさんが楽しんでくれたらいい」。一般のユーザーにも公開されていた会場と、生放送を見ていたユーザーは記者と夏野さんのやり取りに沸き立った。
常に経済合理性を求めるのが企業だが、そうではないのか。そんなこともないだろうと思うが、ニコニコ超会議2が社会的にどんな影響を与えるか。採算面で成功を収めるのか。興味深いところである。
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