企業にエントリーシートなどの書類選考の結果を全員に伝えるか、合格者のみに伝えるかどうかを聞いたところ、合格者のみに伝えると答えたのは全体の22%だった。これが従業員規模1001名以上の大企業に限ると、38%に跳ね上がる。おそらく従業員1万人以上の規模になると、この数字はさらに高くなると思われる。
面接の合否結果についても同様の質問をしたところ、合格者のみに伝えると答えたのは全体の13%だった(こちらの方は企業規模に関係なくほぼ同じ割合)。せっかく面接まで受けてくれたのだから、不合格の通知は全企業で行うようになってほしいものだが、そうした対応をしない企業は少なからずあるということだ。
こうした企業を受けた学生は、合格通知が来るかこないのか、わからない状態で待つしかない。理由については後述するが、明確に連絡期限が設けられていない企業も少なくない。そのため学生としては気持ちを切り替えて次の企業にアタックすることができない状態に置かれてしまう。
「企業としてあまりにもひどい対応!」
HR総研が昨年就職活動をした学生(2016年卒生)を対象にした調査では、企業に対する不満、改善してほしいというコメントで圧倒的に多かったのが、この「サイレントお祈り」に関するものだった。その不満の声をいくつか紹介しよう――。
「選考の結果を連絡しない企業があるが、学生側は『いつまで待てばいいのか』分からず困るため、結果は必ず通知するようにしてほしい」(国立大、文系)
「サイレントお祈りをやめてほしい。企業側が大変なことは承知しているが、私たちもその会社のエントリーシート、特に手書きの場合は少なくとも3時間以上かけて書いている。また、そのエントリーシートを書くまでに、企業研究やセミナーに複数回参加している場合もある。あまりにも失礼ではないのか」(私大、文系)
「合否に関わらず必ず連絡してほしい。テンプレートでの不合格でもないよりはまし。連絡もいただけない企業の商品は今後積極的に利用しようとは思わない」(私大、理系)
「不合格だった場合に連絡をしない企業があまりにも多い。社会人として、企業としてあまりにもひどい対応だと思う」(国立大、文系)
「落選の場合、連絡なし、という対応。一本メールを打つだけなんだから(それも一括送信)そのくらいやれよと思う」(私大、文系)
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