違うようで実は同じ?目立つあいまい公約 総選挙2012 第1回
28日にみんなの党、29日に日本維新の会がマニフェストを公表、各党の政権公約も出そろいつつある。
政権与党である民主党は27日に野田首相自らが記者会見に臨み、「前回はさまざまなことを細かく書いたが、今回は数字を現実的なものに変えた。3年間の教訓と反省に立って新しいマニフェストを作成した」とアピールした。重点政策には社会保障、経済、エネルギーなど五つを選び、「原発ゼロ」や「現実的な外交防衛」などを掲げた。
民主党との違いを強調する自民党
一方、政権復帰が有力視されている自民党は民主党に先立つ21日に「政権公約」を発表。安倍総裁は「民主党マニフェストはほとんど実行されず、政治の信頼は失われた。自民党はできることしか書かない」と民主党との違いを強調。経済政策については「産業投資立国」「ハイブリッド経済立国」を掲げ、現実的な政権公約を前面に打ち出した。
そして、29日に石原慎太郎代表、橋下徹代表代行が記者会見した日本維新の会は「硬直した中央官僚の支配を壊していく」(石原代表)、「公約は書くだけならいくらでも書ける。実行することが問題だ」(橋下代表代行)と述べ、自民、民主両党に必死に追いすがろうとしている。
2009年の総選挙では民主党がマニフェストで「国の総予算207兆円を全面組み替え」「新しい財源を生み出し、子ども手当や高速道路の無料化、農家の戸別所得補償を実現する」など、具体的な数値を書き込んだが、思うように財源を生み出せなかったことが政権の手足を縛り、結果的に民主党支持の急落につながった。
それゆえ、今回の総選挙における各党の政権公約は「3党合意に沿って、社会保障制度改革国民会議での議論を通じて民主党改革案の実現を目指す」(民主党)、「より弾力的な経済財政運営を推進する」(自民党)などと、穏当かつ抽象的な文面が目立っている。