凄すぎる!シンガポールの「メイド大国」事情 産後4カ月で復職するママたちの「秘密」

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子どもをナニーさんの自宅に預けて復職した経験のある日本人ママさんは、「保育園と外国人メイドさんの間のような存在」という。自宅に預けるため、家庭の雰囲気もわかるし、ナニーさんが立派に育てた息子さんにも会えるので安心する。また急な残業が入っても、快く時間を延長してくれる柔軟さがあるという。

5.親との3世帯同居に「助成金」

シンガポール人にとって、復職に欠かせないのは、親の存在である。日本でも少子化対策として3世代同居の推奨を行っているが、シンガポール政府は、親との同居に助成金を出している。

知人のシンガポール人ママは、子どもが生まれるにあたり、制度を利用して旦那様の両親と同居するための家を購入した。さらに、彼女が働いている昼間は、彼女の母親が子どもの面倒を見にきてくれている。

シンガポールは国土が東京23区とほぼ同じ広さであり、交通網も十二分に発展している。この国土の小ささは、有事の際は、親が近くにいるからサポートしてくれるという利点を生み出している。

6.個人に合わせた会社の柔軟な対応

筆者がヒアリングした結果、多くのママが、会社に「特例」「初めてのケース」と言われながらも、会社と相談し、時短勤務や自宅勤務といった働き方を整えていることがわかった。

アジア経済のハブと言われるシンガポールは、さまざまな国の企業でさまざまな国の人たちが働いている。人種や文化が入り混じる中、会社側が個別のニーズに対し、細かく対応している様子がうかがえる。

また会社には搾乳した母乳を保管しておく冷蔵庫があるという声も。産後12週、あるいは16週という時期は、母乳育児を行っている母親にとっては、搾乳が必須なことも多い。

ある日本人ママが勤める外資系物流企業では、パントリーの一部を改装し、鍵をつけて、椅子を設置し、搾乳をするためのナーサリールームを用意しているという。

政府が政策として積極的に取り組んでいる

以上、シンガポールで働くママのサポートの仕組みについて取り上げた。

コンファインメントナニーや外国人メイドさんなど、日本にはないさまざまな仕組みがある。他人の「手」を借りることを当然とし、必ずしも母親が担わなくてもよいタスクはアウトソーシングするという考え方が前提にあるように思える。これらはシンガポール政府が政策として積極的に取り組んできた成果でもある。

女性活躍推進法が制定された日本だが、父親の長時間労働の是正やイクメン化の必要が叫ばれる日本だが、そうした風土改革には時間もかかるし、父親頼みにも限度がある。財源は必要かもしれないが、国をあげてママを支える「手」を整備すること。それが、女性活躍を進める実効性の高い一歩になるのではないだろうか。

吉田 麻里 マーケティングコンサルタント

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大学卒業後、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)に入社。その後、博報堂コンサルティングにてブランディング、マーケティングコンサルティング業務に従事。グリー株式会社にてグローバル戦略、新規事業開発事業等に関わる。2015年よりシンガポールに渡り、出産、子育てを行っている。
 

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