シダックスが東電電力館を借りフィットネス かつての“原発広告塔”が一新

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自治体からの施設運営受託でも差別化

シダックスにとって、スポーツ&カルチャー事業の展開はカラオケ店事業の強化にとどまらない。たとえば、同社が子会社・大新東を軸に展開しているトータルアウトソース事業では、自治体からの施設運営受託の拡大がテーマだ。

志太社長は、「学校給食から図書館、道の駅、温浴施設まで自治体から受託する施設運営の事業領域を広げてきたが、さらにスポーツ施設や文化施設にも広げていきたい」と話す。そのためには、スポーツとカルチャーの面で講師育成やコンテンツ作りを自前で行えるようになれば、同じように施設運営受託を狙う他社との大きな差別化につなげることが可能になる。

旧渋谷電力館が生まれ変わったシダックス・カルチャー・ビレッジを使って、どこまでスポーツ&カルチャーを自家薬籠中のものにできるか。給食市場の競争激化やカラオケ市場の成熟化が進む中、その成否がシダックスの成長を左右する1つの要因になりそうだ。
 

大滝 俊一 東洋経済 記者

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おおたき しゅんいち / Shunichi Otaki

ここ数年はレジャー、スポーツ、紙パルプ、食品、新興市場銘柄などを担当。長野県長野高校、慶応大学法学部卒業。1987年東洋経済新報社入社。リーマンショック時に『株価四季報』編集長、東日本大震災時に『週刊東洋経済』編集長を務め、新「東洋経済オンライン」発足時は企業記事の編集・配信に従事。2017年4月に総務局へ異動し、四半世紀ぶりに記者・編集者としての仕事から解放された

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